今朝、ZDNet Japanの冨田編集長から突然メールが送られてきた。亡くなられたSteve Jobs氏について何か書けという。林(信行)さんをはじめとする割と身近な方々から、マクドナルドの原田泳幸社長など名前しか存じ上げない人まで、日本にももっと適役な人たちがいるだろう。
そんな考えも思い浮かんだが、「別にお悔やみ記事などかしこまったものを書けといってるわけではない。好きなことを書けばいい」との仰せもあり、また「次の機会」がないことも確実にわかっている話題でもある。
そうしたことでお引き受したのが、以下の走り書きである。
ジョブズにぶつけた質問
Jobs氏にはその昔、一度だけ直接質問したことがあった。同氏についての個人的な思い出として想い浮かぶのは、ますそのことである。2003年11月末の、アップルストア銀座の開店を控えて同社が開催した記者発表会でのことだった(スティーブ・ジョブズ、「銀座で”待ち伏せ”」)。
当時、CNET Japan編集部に籍を置いていた私は、ふだんは朝方から夕方暗くなるまでモニターの前に張り付き、それこそ雪かきのように英語の記事を読んでは翻訳して公開する「海外デスク」職をしていた。そのため、外に取材に出ることは滅多になかったが、一向に飽きもせずにApple関連の話を来る日も来る日も朝一番に出していたようなこともあってか、若い同僚の誰かが気を利かせ、「よければ行ってきませんか」と声をかけてくれたのだったかと思う。
無論その時点では、Jobs氏が姿を見せることは内密にされていたはずなので、こちらも案外気楽な気持ちで、それこそ「物見遊山もかねて」くらいの心づもりで出かけていったような覚えがある。