日本IBMは11月29日、企業向けパブリックIaaS「IBM Smart Business Cloud - Enterprise(SBCE)」の機能拡張と料金体系の拡充を発表した。12月5日から提供する。
SBCEは米国2カ所、カナダ、ドイツ、日本、シンガポールの計6カ所から提供されており、データセンターが連携することで世界のどこからでも利用できるという。今回、主に3つの機能を拡張している。
1つめはファイアウォール専用の仮想マシン(VM)のイメージの提供。通信パケットのフィルタリング、外部からの通信をしかるべき内部の機器へ転送するポートフォワーディングなどのファイアウォールとして必要な機能を備えたVMを容易に構築でき、ユーザー企業は仮想環境のセキュリティを強化できるとしている。
2つめはVMイメージの可搬性。ユーザー企業が独自にカスタマイズしたVMイメージを拠点間で移動させることができる。ユーザー企業が使うOSも含めたVMイメージを作成して、データセンターにアップロードすることも可能という。
3つめは、ストレージでの機能拡張。仮想サーバが稼働したままの状態で、ストレージを切り離し、ほかの仮想サーバに接続できるようになった。サイズの上限も従来の5倍となる10Tバイトにして、設定できるストレージのサイズも柔軟になったとしている。
これまでの料金体系は「OSを含んで1時間10円から」だったが、「OSを含まず1時間7円から」に変更する。OSのライセンスをすでに持っているユーザー企業は、より低料金で利用できるようになるとしている。
構成は前者が「仮想CPU(1.25GHz)1個、仮想メモリ2Gバイト、仮想ディスク60Gバイト、Windows Server 2003/2008」、後者が「仮想CPU(1.25GHz)1個、仮想メモリ2Gバイト、仮想ディスク60Gバイト、Linux系OSのみ対応」となっている。