BIの米クリックテックCEO「日本法人の社員数を倍にする」

怒賀新也 (編集部)

2012-03-22 19:50

 「日本法人の社員を倍に増やし、営業を強化する」

 インメモリ技術を利用したBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアを提供する米QlikTechの日本法人、クリックテック・ジャパンの垣田正昭社長が3月22日に都内で開催された事業発表会で話した。西日本エリアの販売強化のため4月1日に大阪オフィスをオープンすること、日本企業の要望を反映するための検証チームを日本に設置することも併せて明らかにしている。日本法人は現在20人。これを2012年末までに40人に増やす考えだ。

 日本法人が2009年3月に日本市場で「QlikView」の販売を始めてから、利用企業は350社に上った。2011年には富士電機、小岩井乳業、湘南ゼミナール、ル・クルーゼ ジャポン、東京青果などが新たにユーザーとして加わった。

 来日したラース・ビョークCEOは「2010年の株式上場で最も成功したIPO銘柄と評価された」と強気に話す。2006年に4430万ドルだった売上高は、2011年には3億2000万ドルに上った。2010年の2億2600万ドルと比較しても1年で41.5%増加。2010年7月のNASDAQ上場時には10ドルだった株価は、2012年3月21日時点で30ドルを超えている。

若年層の失業問題解決のためホワイトハウスに呼ばれ、意見を述べたというビョークCEO
若年層の失業問題解決のためホワイトハウスに呼ばれ、意見を述べたというビョークCEO

 また、2011年の対年度比での売上高成長率は、アメリカ大陸で49%、欧州が36%、アジア太平洋地域を含む「その他」地域は59%だった。内訳は公開していないが、アジア太平洋地域で注力する国は上位から順に「日本、オーストラリア、シンガポール、インド」だという。

 ビョーク氏は「中国企業の多くはまだデータ基盤が大きくない。今は市場が大きく、まだ開拓余地を残す日本市場に注力する」と日本法人の陣容拡大の背景に触れた。

 QlikViewが評価されている要因として、インメモリ技術や圧縮技術を用いることで、リアルタイムに高速な分析処理ができることが挙げられる。データベースやアプリケーションなどさまざまなデータソースのデータを、ディスクではなくメモリ上の論理的な領域に展開し、メモリ上で処理を実施する仕組みだ。基幹システムから抽出したデータを参照し、その場で自分のほしい情報を取得するための検索をかけられるため、ユーザーは検索条件を事前に定義することなく、いつでも好きな条件で検索できる。情報システムとしてはETL、DWH、データマートといったアプリが不要であることによる簡素化が図れるなどのメリットがある。

 一方、従来型のBIでは、基幹システムから抽出したデータをETLでクレンジングしてDWHに格納し、さらに利用者が見たいデータをデータマートで事前定義するといった処理が必要になるなど、「使い方もシステムも複雑になる」とクリックテックは指摘している。

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