レンタルサーバ事業を展開するファーストサーバで障害が発生し、顧客のメールやウェブのデータが消失した問題で、ユーザー企業の小林製薬がZDNet Japan編集部の取材に応じた。
小林製薬では、製品の認知訴求を目的に「アイボン」「フェミニーナ」「熱さまシート」などのブランドサイトや、携帯向けのコーポレートサイトとブランドサイトを展開している。同社は6月21日付けでサイトの障害を告知していた。広く知らせることを目的としているため、ウェブサイトは同社の広告グループが管理している。
ファーストサーバはこれらのブランドサイトをホスティングしていたが、障害発生とともに28のウェブサイトもダウン。22日午後にはフェミニーナなど18のブランドサイトなどが復旧したものの、残る10のサイトは依然としてアクセスできないままになっている。
小林製薬では「今回(の障害で)どのくらいの影響があったのか、(インパクトを)測る術を持っていない」(同社広報)と不安な気持ちをのぞかせているが、「現時点でお客様(一般消費者)からのお問い合わせは確認できていない」(同社広報)ともコメント。製品情報はコーポレートサイトにも掲載しているため、消費者への情報提供は途絶えていないとの認識だ。
今後の対応については、「(障害が起こったウェブサイトの)数が多い。また、サイトは商品の広告的要素を持っている。今回は大企業から個人までが被害を受けているが、同じように対応していくことになるだろう」としている。
小林製薬では順次、ウェブサイトを復旧させていきたい考え。状況が落ち着いた後で「ファーストサーバと話し合うことになるだろう」としているが、障害発生後、先に連絡を取ったのは小林製薬側。「ファーストサーバも時間がなさそうな様子だった」とのことで、ユーザーへの対応も遅れていることが見て取れる。
ITRの内山悟志代表取締役は、「データセンター事業者によるデータの消失というのは前代未聞だ」とコメントしている。
追記(6月25日 午後4時)
小林製薬では6月22日 午後6時30分にすべてのサイトが復旧したことを発表している。
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