朝日インタラクティブは7月25日に、都内で「ZDNet Japanビジネスカンファレンス~スマートデバイスが切り開く成長戦略~」を開催する。スマートデバイスを成長の基盤にしたい企業担当者にとって、情報収集の絶好の機会だ。東京・飯田橋の「ベルサール飯田橋ファースト」で13時から始まるこのイベントにぜひ足を運んでいただきたい。参加は無料。(申し込み・詳細ページへ)
企業によるスマートデバイス採用が相次いでいる。野村證券は個人向け営業担当者を対象にiPadを8000台導入する。全日空(ANA)も6000人に上る客室乗務員全員にiPad支給を決めた。タブレット提供企業も動き出した。Appleだけでなく、これまでタブレット端末向け基本ソフト(OS)の提供に注力してきたGoogleが「Nexus 7」を、Microsoftが「Surface」の開発を発表したばかりだ。
野村證券の場合、個人顧客宅を営業担当者が訪問する際に、世間話からはじまり、趣味、政治、マーケット情報、事例、顧客個人の近況や悩み、もちろん商品やサービスの説明に至る一連のコミュニケーションの流れ全体を円滑化するために、iPadのようなタブレット端末を導入したという。
三越伊勢丹が店舗に導入したタブレット端末を用いた接客ツール
こうした使い方は、従来はできなかったビジネス手法であり、タブレットなどのスマートデバイスが企業にとって新たな成長への扉を開ける鍵になっていることを示している。
営業や接客現場での売り上げ向上、ワークスタイルの変革、最近では、スマートデバイスを使った低コストなレジスターを開発、販売する企業も現れ始めた。ビジネス機会の広がりは無限にも感じられるほどだ。
一方で、懸念点もある。1つはセキュリティである。主にスマートフォンの実際の運用方法に関して、従業員の私物端末を仕事用の端末として利用することを表すキーワード「BYOD(Bring Your Own Device)」が注目を集めている。
BYODを実装する場合、個人と従業員それぞれとしての責任範囲の線引き、端末を紛失したときのデータ消去などの手続きなど、ビジネス価値の最大化とセキュリティ確保のはざ間における管理の問題がついて回る。また、基調講演を務めるプライスウォーターハウスクーパースの松崎真樹氏は「スマートデバイスの中で、個人と従業員との時間の取り合いも起きている」と指摘。
スマートデバイスは、多くの企業にとって成長戦略の切り札である一方で、リスクをはらむ諸刃の剣でもある。スマートデバイスのメリットとデメリットを正しく理解し、的確な戦略を立て、ITなどのツールをうまく使って運用した企業が、新たな成長軌道を描けるといえる。
「ZDNet Japanビジネスカンファレンス~スマートデバイスが切り開く成長戦略~」では、最前線の講師陣を迎え、スマートデバイスを成長戦略に組み込む企業の担当者にさまざまなヒントを投げ掛ける。