IDC Japanは2月21日、モバイル端末が今後の印刷ページ数に与える影響を米国で調査した結果を発表した。スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスの普及は、今後5年間で印刷やスキャン、文書管理、印刷ページ数に大きな影響を与えると説明している。
米IDCはスマートデバイスユーザーを含む800人を対象にエンドユーザーを調査している。スマートデバイスユーザーの多くは若い男性で、収入は高い傾向にあり、旅行や出張の機会が多いことが分かっている。
注目すべき点として、スマートデバイスユーザーは非スマートデバイスユーザーよりも実は多く印刷する傾向があるという。スマートデバイスユーザーは、PC上の多くの主要アプリケーション、具体的には20のうち16で非スマートデバイスユーザーよりも多く印刷する傾向もみられるとしている。
印刷ページ数という観点からスマートデバイスユーザーの印刷ニーズに対応すること、彼らにモバイル端末からの印刷方法を伝えることの重要性は明確と説明。2012年には、モバイル端末から実際に印刷しているユーあーが急激に増加していると言及している。
逆に印刷ニーズが全くないとするユーザーは、2012年時点でまだ約50%いるが、2015年も同じと答えた回答者は25%に減少する。だが、実際にはほとんどのユーザーが、どのようにすればモバイル端末から印刷できるのかを知らないという。大多数のユーザーは、会社でモバイルプリントできるようになっていないと答えている。彼らがモバイル端末からの印刷方法を理解すれば、印刷ページ数は増加するだろうと予想している。
スマートデバイスは、現在画面上で情報を閲覧するのに使われることがほとんどだ。一方で、ユーザーの行動から判断すると、今後はモバイル端末からの印刷が一般的になっていくと予測している。旅行や出張の時に印刷、カラー印刷、会社での特定文書の印刷などが、オフィスや外出先でのスマートデバイスからの印刷を加速する要因になると考えている。調査では以下のようなことも判明している。
- 「印刷したいが、実際には印刷できない」とするユーザー比率は、スマートフォンよりもタブレットの方が高い
- 中規模や大規模の企業に所属するスマートデバイスユーザーは、小規模企業に所属するユーザーよりも、多くのアプリケーションで頻繁に印刷している
- スマートデバイスをビジネスで使用するユーザーは、個人で使用しているユーザーよりも印刷に対する興味が高く、実際に多く印刷している
- 家庭向けアプリケーション全体では、多くの回答者が印刷ページ数は今後も変わらないと回答。だが、アプリケーションによって違いがあり、写真やクーポンの印刷は増加し、新聞や雑誌、福利厚生関連文書、イベントのチケット、ゲーム、飛行機の搭乗券や旅程表などの印刷ページは減少すると回答している
- 小規模企業では、GoogleのCloud Print、AppleのAirprint、Hewlett-PackardのePrintといった主要なモバイル印刷サービスを利用しているケースがほとんど。大規模企業では多くの種類のベンダーの利用が進んでいる
- スマートデバイスユーザーは、モバイルスキャナやモバイル印刷サービスよりも、スマートデバイスに搭載されている文書スキャンアプリ、Dropboxなどのクラウドファイルサービスを頻繁に利用している
- スマートデバイスユーザーは、非スマートデバイスユーザーよりもスキャンアプリをよく利用している