ドリーム・アーツは9月10日、タブレットを利用して企業の営業業務を効率化する新たなクラウドサービスを11月1日から開始すると発表した。サービス提供基盤としてニフティの「ニフティクラウド」を活用し、ユーザーが、利用規模やコンテンツ数の増減に柔軟に対応できるようにした。
サービス名は、顧客との関係構築を支援するという意味での縁(ゆかり)にちなんだという「YUKARi」。営業活動に必要なタブレットアプリと販促コンテンツ、また、そのデザイン、制作、環境構築、運用を一元的に実施するサービスだ。
利用企業は、商品やサービスの魅力を消費者の感性に訴求し、潜在ニーズを広げられるという。また、個人に偏在した営業ノウハウを効果的に共有することで、点から面への営業スタイルへと促す。その際、多数の端末を扱うようなケースでも、ニフティクラウドの「セキュアで安定的な基盤」で運用できることも利点だとしている。
YUKARiのトップページ
ドリーム・アーツがサービスとして提供する主なサービスは具体的に「タブレットアプリの制作」「運用管理」「活用サポート」の3つ。タブレットアプリの制作では、会社紹介や商品およびサービスのラインアップなどを、ブランドイメージを訴求する形でタブレット上に掲載できるという。
さらに、営業活動に必要な業務ノウハウを集約した「ワークステーション」を搭載。ワークステーションとして、メール、社内SNS、営業レポート作成、営業レポート一覧、顧客情報検索などのメニューを提供する。また、オプションメニューとして、電子稟議決済、アンケート調査などもそろえた。運用管理では、端末やコンテンツをニフティクラウド上に実装した「Yiマネジメントサーバ」で一括管理する。営業エリアや役割などに応じて、表示したいコンテンツ定義が自動生成され、認証した対象端末にダウンロードされる。
ニフティクラウド上にYUKARiを実装した
ドリーム・アーツの山本孝昭社長は(安価ではない価格設定だが企業からの引き合いはあるのかの質問に対し)「大企業での大規模な営業組織が活用し、営業改革を実施できると考え、既に多くの企業から問い合わせを受けている」と話す。
一方で、クラウド基盤を提供するニフティの社長、三竹兼司氏は「5、6年前から仮想化技術を使ったクラウドを構築しており、それを2010年にIaaSの一般サービスとして提供を開始したのがニフティクラウド。IaaSのビジネスは差別化が難しいため、パートナーを集めて具体的な使い方を提示する必要があった。150社いるパートナー中でも、ドリーム・アーツは最も重視している企業の1つ。新サービスは、営業の働き方を変えるものだと感じた」と話している。
価格は、初期費用として、プラットフォームライセンスが2000万円、コンサルティングおよびクリエティブが1000万円から。月額費用は基本料が80万円から、クラウドサービスフィーが50万円から、デバイスサービスフィーが1台につき5000円としている。
利用環境はiPadで、AndroidとWindows 8搭載タブレットに今後順次対応する予定。
ニフティとドリーム・アーツは良好なパートナー関係を築いている