Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏はBloomberg Businessweekに対し、同社は「iPhone 5c」によって、低価格スマートフォンを提供するつもりはまったくないと述べた。
Cook氏はBusinessweekとのインタビューの中で、目的は「素晴らしい電話と素晴らしいエクスペリエンスを販売することであり、われわれはこれまでよりも低価格でそれを実現する方法を見出した」と述べた。
同社が設定したこの低価格について、多くのアナリストが十分に低くないと考えている。米国では、iPhone 5cは2年契約付きで99ドルであり、手頃な価格といえる。その他の国では、iPhone 5cが契約なしで550ドルで販売される予定で、中国などの市場でシェアを獲得するには高すぎる価格となっている。
Businessweekの同記事では、Appleが目指すのはBMWなのか大衆市場向けブランドなのかという問題を中心に取り上げている。AppleはiPhone 5cによってその2点の間を結ぼうとしているのではないかと筆者は考えている。
例えば、WalmartではiPhone 5cを2年契約付きで79ドルで提供している。Walmartにこれができるのは、大量販売できることを明確に見込んでいるからとしか考えられない。おそらく他の小売業者もこれに追従するだろう。
iPhone 5cが新興市場では受け入れられないと主張する人々に対し、以下の可能性を指摘したい。
- iPhone 5cによって、Appleは先進国におけるシェアを拡大することができる。
- 大量生産によって部品コストが低下する。
- Appleは、新興市場の通信事業者と契約し、有効原価を引き下げる。Appleは、中国で最安値の端末を提供する必要はなく、ただ低価格帯の端末を提供すればよい。
Cook氏とApple幹部らは、低価格を目指してはいないと繰り返し述べてきた。その賭けが最終的に裏目に出るかどうかはわからないが、成功する可能性のある3つめの方法がある。つまり、安価な「Android」搭載スマートフォンよりもやや質の高い、十分に低価格の製品を提供することである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。