沖縄県教育委員会は、県立高校向けネットワークにネットワーク監視製品「Deep Discovery Inspector」(DDI)を採用、各高校のウェブサイト向けの仮想サーバ保護に総合サーバセキュリティソリューション「Trend Micro Deep Security」を採用した。システムを提供したトレンドマイクロが12月18日に発表した。
沖縄県教育委員会が総括し、沖縄県立総合教育センターが管理している県立高校向けネットワークには、特別支援学校も含めた76校の教職員・生徒が使う端末約2万台が接続されている。近年、沖縄県教育委員会ではIT教育推進の一環として、さまざまなデバイスやツールを教育現場で活用することを推奨しており、教員や生徒がPCやUSBメモリを学校に持ち込んで利用することも許容しているが、それによる不正プログラム持ち込みの懸念があり、またネットワーク利用者に対する標的型サイバー攻撃の懸念もあった。
そこで教育委員会では、このネットワーク全体についてトレンドマイクロにアセスメントサービスの実施を依頼した。アセスメントの結果、適切な対策の施されていない持ち込みPC経由の不正プログラム感染や、感染端末からC&Cサーバ(Command and Control server:不正プログラムに感染した端末に対する指令・制御の中心となるサーバ)への不審な通信が発見されたという。この結果を受けてDDIの導入が決定された。
DDIはネットワーク上のパケットを監視、メール添付ファイルなどの解析を通じてネットワーク上の脅威を検知し、不正プログラムの挙動などを可視化する製品だ。沖縄県教育委員会による正式導入は2014年1月と決定したが、試験導入期間中にもトレンドマイクロ側からのアドバイスをもとに、セキュリティ対策がされていないPCの使用者に適切な対処を行うよう助言したり、現場での不正プログラム駆除作業が行われた。
また、沖縄県総合教育センターでは、各高校のウェブサイトなどを仮想サーバ上に構築しているが、2012年11月に管理下のウェブサイトが一部攻撃を受けた事案があった。これについても、既存のファイアウォールだけでは最新の攻撃を防ぎ切れず、サーバ自体の保護強化が必要であると判断、現在は、Deep Securityのファイアウォール機能と仮想パッチ機能を併用し、仮想サーバを保護している。