トーマツが1月8日に発表した、企業のリスクマネジメント調査によると、海外拠点のリスクマネジメント体制の整備を重視する企業が増加していることが明らかになっている。
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リスク評価実施率の経年推移(トーマツ提供)
トーマツはリスクマネジメントについて「企業価値に影響を与える潜在的リスクを識別し、適切に管理することでリスクの最小化を図る活動」と定義している。「潜在的なリスクを精査しているかどうか」を聞くと、実際にリスクを評価している企業は87.0%となった。2011年が85.0%、2012年が82.6%となっており、2年ぶりの上昇となった。
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(左)リスクマネジメント体制の整備状況推移、(右)リスクマネジメント体制の構 築状況(トーマツ提供)
「現状維持である」が79%、「拡大した」が18%。リスクマネジメント体制を拡大させている企業が2012年より6%増加しており、体制が拡充したとトーマツは解説した。
自社のリスクマネジメント体制に関する設問では「適切に構築されているとは言えない」が44%と2012年より10%増加した。トーマツはリスクマネジメントに求める水準が高くなったことや、日本企業の海外進出が加速し、海外リスクマネジメントの必要性が高まったことが背景にあるという。
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優先すべきリスクのランキング(トーマツ提供)
優先すべきリスクは「海外拠点の運営に係るリスク」が29%と最多。海外関連リスクと関係する4位の「子会社ガバナンスに係るリスク」は、前回より12%増の26%となった。
優先すべきリスクで2011~2012年に1位だった「地震・風水害など、災害対策の不備」は2011年より6ポイント減の26%で3位。認識度が高まっているリスクもあり、「情報漏えい」は前回より9ポイント増の28%、「役員・従業員の不正」が前回より8ポイント増の16%となっている。
トーマツのセミナーに出席した企業223社、リスク管理やコンプライアンス、内部監査の各部門を対象に2013年5~10月に調査した。