IDC Japanは、国内通信事業者の戦略を分析、結果を発表した。NTT、KDDI、ソフトバンクの3グループの中期的成長戦略は、「セグメント融合」「付帯事業強化」「海外事業拡大」の3つに集約できるという。
セグメント融合戦略の例として、スマートフォンと固定通信を両方利用すると料金を割り引く、KDDIグループの「auス マートバリュー」やNTTコミュニケーションズの仮想専用網(VPN)サービス「Arcstar Universal One」など、異なるセグメントのサービスをセットで割安に提供するサービスが成功を収めていると説明。ユーザーあたりの月間売上高の下落を上回るため、融合させるサービスの選択と集中が重要と分析した。
付帯事業強化戦略の例として、NTTドコモやソフトバンクを中心に通信と非通信分野の双方に対し、事業者の買収や提携に向けた動きが加速しているとした。買収や提携で獲得するサービスを通じてどのようなシナジーが期待できるかが重要と説明している。
海外事業拡大戦略に関しては、ソフトバンクによる米国進出やNTTコミュニケーションズのグローバルクラウド戦略などが活発化している例を挙げた。国内外でスケールメリットを目的とした通信事業者同士のM&Aが加速していると指摘している。