日系企業のグローバル化、マーケや人材、管理に課題--PwC

山田竜司 (編集部)

2014-02-03 16:41

 PwC Japanは1月31日、大手日系企業の海外展開の進展度合いや課題を分析した「日系企業のグローバル化に関する共同研究」を発表した。

 各社は「自社の持続的成長のためには、さらなるグローバル化が必要である」という認識で一致する一方、企業活動別では、グローバル化進展の段階にばらつきが見られたという。日系企業は総じてサプライチェーンのグローバル化は進んでいるものの、マーケティングやマネジメント、特にブランド構築や人材育成、統制や管理の点で、成功論を確立できていないことがうかがえるとした。

 研究では、対象企業のグローバル化の過程を定性的に分析した結果、海外市場で順調に業績を上げているグローバル企業は、「海外市場で自社のアイデンティティ・企業文化を守るべきか、変えるべきか」の判断に長け、その判断に応じた企業戦略、中でもブランド、人材、コントロール戦略を策定し実行していると指摘。日本企業が今後グローバル化を進める上で、まず乗り越えるべき点は日本本社の意識改革であると説明した。

 研究では、海外展開する企業への意識改革を促す手段として「新興国へ展開する方針にも関わらず、日本市場を最優先にしない」「自社の海外の新興国市場での位置づけを再認識する」 「アジア市場と日本市場とは異なる」という認識を持つ」「技術力以外の自社の強みを客観的に再精査する」「グローバル化に伴い増加する社内対立に正面から向き合う」といった取り組みができているかを再考すべきと提案している。

 研究は慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 清水勝彦教授と、あらた監査法人、プライスウォーターハウスクーパースが共同で実施。海外売上高が100億円以上、連結売上高に占める海外売上高の比率が10%以上の大手日系企業21社の海外事業担当役員にインタビューし、構成している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ChatGPTに関連する詐欺が大幅に増加、パロアルトの調査結果に見るマルウェアの現状

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    いま製造業がランサムウェアに狙われている!その被害の実態と実施すべき対策について知る

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]