IDC Japanは8月4日、国内アプリケーション配信制御(Application Delivery Controller:ADC)市場の(Application Delivery Controller:ADC)市場の2013年の実績と予測を発表した。2013年は通信事業者の需要が一巡し、2010年から続いた成長基調が一段落、前年とほぼ同じ規模の244億4600万円となった。
国内ADC市場の通信事業者向け売り上げは、2010~2012年は、前年比成長率30%以上のペースで拡大してきたが、2013年は前年比6.8%減のマイナス成長だった。移動体通信事業者のADC需要の中心だった、急速なトラフィック増加への対応やLTEサービス展開の需要が、2013年にいったん沈静化したことが影響したと説明している。
一方、2013年の通信事業者を除いたADC市場は、前年比成長率が3.8%増とプラス成長を維持した。クラウドサービス提供事業者やスマートフォン向けサービス提供事業者などのADCへの投資が堅調であり、一般企業での需要も景気回復に伴って堅調に推移したという。
今後の国内ADC市場について、2013年の成長の停止は一時的なものであり、2014年以降再び成長軌道に乗って拡大すると予測する。2014年は、前年比9.6%増の267億8200万円、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は6.5%と予測した。
コモディティ化の進行が緩やかであり、継続的需要が見込まれ、国内ADC市場の成長性は依然として高いとした。
さらに、ハードウェアプラットフォームの優位性を原動力として、セキュリティやアプリケーションパフォーマンス最適化へとADCの適用領域が拡張し続けることも、市場の成熟化を抑えて継続的な成長の推進力になるとみている。
IDCは今後の市場について、仮想アプラインス製品の強化を含めクラウド環境下でもADCの能力を十分に発揮できるような製品へと強化することを提案している。
2009~2018年 国内ADC市場 エンドユーザー売上額予測