Microsoftは米国時間1月21日に新しいホログラフィックコンピュータ「HoloLens」を披露した際、米航空宇宙局(NASA)と提携して「OnSight」というバーチャルリアリティ(仮想現実)ソフトウェアを開発することも明らかにした。同ソフトウェアは、科学者らがHoloLensと火星探査機「Curiosity」からのデータを使用し、遠隔作業できるようにするもの。NASAのジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory:JPL)の関係者らは、新ツールによって火星に対する人々の認識が変わる可能性があると述べた。
「これまでの火星探索では、コンピュータスクリーンの片側しか見ることができなかった。このツールは、地質学者が地球上で実地作業を行うのと同じ感覚で、探査機の周囲を調査する能力をもたらす」と、JPLのOnSightプロジェクトマネージャーを務めるJeff Norris氏は声明で述べた。
OnSightが稼働するHoloLensヘッドセットを着用することで、JPLまたは世界各地の科学者らの周囲に探査機から送られた画像が映し出され、仮想環境の中を歩き回ったり、細部を調査したりすることが可能になる。仮想環境の中で身をかがめたり、さまざまな角度からごつごつした火星の岩石を調べたりすることもできるようになる。
OnSightを使用して探査機の周囲の様子を把握した後には、仮想現実環境の中でジェスチャやメニューコマンドを使用し、Curiostyが火星上で実施するであろう実験の計画、テスト、結果のプレビューを行うことができる。
Curiosityチームは2015年のうちに、OnSightのテストを開始する予定である。OnSightは、次期火星ミッション「Mars 2020」で、さらには2030年代にはもしかしたら実際の火星有人探査でも、その力を発揮する可能性がある。
提供:NASA/JPL-Caltech
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。