リーダーとして苦境を乗り切る4つの方法

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-03-20 06:15

 ものごとが順調に進んでいる時には、リーダーシップは比較的容易に発揮できる。あなたが生産性の高いチームを抱えており、実績を残してきているのであれば、そのチームはまるで一流のオーケストラのように、指揮者であるあなたの一挙手一投足にあわせ、一寸の狂いもなく連携できているはずだ。しかし、何らかの非常事態が発生した場合、そのような連携はあっという間に崩れ去る。そして多くの場合、リーダーが手にしていた信用は、難題に直面したプロジェクトの混乱や、チームに降りかかった災厄という大波によってあっという間に洗い流されてしまう。以下はこのような非常時を乗り切るためのティップスだ。


提供:UC San Diego Jacobs School of Engineering

#1:能動的なメンバーを見極める

 一般的に、厳しい事態が発生すると、チームメンバーは3種類のグループに類型化できるという事実が見えてくるはずだ。まず、最初のグループに属するメンバーは、目の前に問題など存在しないような態度を取り、誰かがその問題を解決してくれるだろうと願いながら今まで通り仕事を続ける。こういったメンバーは問題の解消に手遅れになるまで素知らぬふりをしたり、次のグループに属するメンバー、すなわち不平家の影響を受けてヒステリックになるケースが多いという点で何の役にも立たない。

 2つ目のグループである不平家は問題を鋭く見抜くことができ、差し迫った危機にいち早く警鐘を鳴らすことさえある。ただ、洞察力に優れ、明確な警鐘を鳴らすとはいっても、解決に乗り出そうとはしない。これは致命的な欠点だ。不平家は対策を練る能力を持っているかもしれないが、リーダーが現れるまで、あるいは状況が変わるまで外野で見物し、さらには通りがかった何も知らない同僚に破滅的な状況の話を語って聞かせるだけなのだ。

 3つ目のグループに属するメンバー、すなわち能動的なメンバーは、問題に取り組むための大胆な行動に前向きだ。問題が複数あるとリーダー1人の手に負えない場合もある。このためリーダーは手元の問題を整理し、自らの権限が必要となる部分を洗い出し、問題の軽減につながる対処を能動的なメンバーに移譲しなければならない。しかし、声の大きな人ほど自らの悲観的な予測や大胆な計画に対する行動に難色を示すこともあるため、これは難しい場合もある。

 不平を言い合うグループの輪に入り、現在の状況を嘆きたくなるだろうが、リーダーは自らの不安を周囲に広めたりせず、状況を変革するための具体的な行動に出なければならない。不平や不満を述べる人々の輪に加わるというのは、自分では彼らの言葉に耳を傾けているだけだと思うかもしれないが、周囲の目には自らが無能で非効率的な人間であるかのように映るため、すぐにリーダーとしての信頼をなくしてしまうのだ。

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