シスコが初の国内ローカルブランド「Cisco Start」創設、中小企業向けに展開

羽野三千世 (編集部)

2015-09-16 16:35


シスコの国内中小企業向け新ブランド「Cisco Start」

 シスコシステムズは9月16日、従業員100人以下の中小企業(SMB)向けの新ブランド「Cisco Start」を発表した。ルータ、スイッチ、アクセスポイント(AP)、ネットワークセキュリティ製品を、「日本語にローカライズし、IT予算が限られた中小企業でも無理なく購入できる価格帯で」(専務執行役員 コーポレート事業統括 中島シハブ氏)提供する。

 Cisco Startシリーズのライナップは、(1)新製品となるVPNルータ「Cisco 841M Jシリーズ」、(2)既存のスイッチ「Cisco Small Business 110/300シリーズ」、(3)既存のAP「Cisco Aironet 1700/1800シリーズ」、(4)既存のファイアウォールアプライアンス「Cisco ASA5506-X」――の4製品。それぞれ、Cisco Startルータ、Cisco Startスイッチ、Cisco Startワイヤレス、Cisco Startセキュリティの名称で販売する。


Cisco Startシリーズのライナップ

専用GUI「Cisco Configuration Professional Express」

 専任のIT管理者がいないケースが多い国内SMB市場のニーズに合わせて、日本語で簡単にネットワークやセキュリティのセットアップ、管理ができる専用GUI「Cisco Configuration Professional Express」を用意。ネットワーク利用端末やアプリケーションの利用状況もこの管理画面上に一覧表示される。

 新ブランドでは、販売体制、サポート体制もSMB向けに新たに整備した。シスコの通常の販売チャネルに加えて、NTTレゾナントが運営するオンラインストア「NTT-X Store」でも販売する。

 さらに、Cisco Startシリーズの1次リセラーとしてダイワボウ情報システム(DIS)と契約。DISの販売パートナー(2次リセラー)1万9000社を通じて全国の中小企業へ新ブランドを展開する。DISでは、企業規模に合わせて最適な製品の組み合わせを提案するパッケージ「Cisco Startパック」も提供。従業員数ごとのパッケージメニュー、25人(Cisco Start 25)、50人(Cisco Start 50)、100人(Cisco Start 25)、100人フル無線LAN(Cisco Start 100-W)を用意した。

 サポート体制を強化するために、Cisco Startシリーズのユーザー企業向けにシスコサポートコミュニティを立ち上げた。コミュニティ上では、ユーザー同士で質問や情報交換ができるほか、シスコによる日本語のダイレクトサポートを受けることができる。

日本法人初のローカルブランド

 Cisco Startシリーズは、日本市場のみで展開するローカルブランドだ。シスコシステムズ 執行役員 マーケティング本部長の鎌田道子氏によれば、同社が日本独自のブランドを展開するのは今回が初めてだ。

 ここにきて中小企業向けの新ブランドを作った背景について、鎌田氏は「以前は、コネクティビティさえ確保できればよいというのが中小企業のニーズだったが、昨今、マイナンバー対応や事業のグローバル化により、中小企業のネットワーク要件が大企業に近くなってきた」と説明した。また、新ブランドのターゲットを“従業員100人以下”に設定した理由については、「社員100人以下の企業で、IT管理者不在の割合が高い、IT予算が厳しいというデータをもとに企画した」(鎌田氏)と述べた。

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