RDPをWebSocketsに変換--Windowsアプリが動くChromebook、ASUSが販売

藤本和彦 (編集部)

2015-10-21 09:30

 ASUS JAPANとアシストは10月20日、ノートPC「ASUS Chromebook Flip C100PA」の法人教育機関向けモデルに、HTML5対応RDPクライアント「Ericom AccessNow」をバンドルすると発表した。11月上旬から出荷を開始する予定。

 Chromebook Flip C100PAは、10.1インチのディスプレイが360度回転し、ノート、タブレット、スタンド、テントの4つのモードに変形可能。アルミニウム合金の筐体とGorilla Glassの表示パネルで堅牢性を高めている。メモリは4Gバイト、バッテリ駆動時間は最長で約9時間。2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンド対応のIEEE 802.11a/b/g/n/acを備える。OSとしてLinuxディストリビューションのChrome OSを搭載する。

Chromebook Flip C100PA Chromebook Flip C100PA
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 Chromebookは近年、従来のノートPC市場を脅かす存在として大きな注目を集めており、特に北米では教育機関への導入が進んでいる。電源を入れて数秒で利用可能になる起動の速さ、サンドボックス化やデータストレージの暗号化といったセキュリティの高さなど、利便性と安全性を持つ一方で、管理者向け機能も充実している。

 内部ストレージへの書き込み禁止や印刷の禁止、外部ストレージの禁止など、200を超えるポリシーを用意し、端末にログインするエンドユーザー単位で権限をウェブの管理コンソールから設定できる。

ChromebookでWindowsアプリを実行

 Chromebookを導入する際に障壁の1つとなるのが、Windowsアプリケーションを実行できないことだ。いまだに多くの企業がWindowsベースの業務アプリケーションを使っており、既存資産の有効活用は情報システム部門にとって頭痛の種になっている。こうした課題を解決するのがEricom AccessNowである。

 AccessNowは、イスラエルのEricom Softwareが2011年にリリースした製品。アシストは2012年から国内総代理店を務めている。AccessNowは、Windows標準のリモートデスクトッププロトコルであるRDP通信をHTML5のWebSockets通信に変換する仕組みである。これにより、HTML5対応ブラウザからリモートのWindowsデスクトップ環境とアプリケーションにアクセスできるようになる。クライアントにモジュールをインストールする必要はない。

 ASUS JAPANとアシストでは、Chromebook Flip C100PAにAccessNowをバンドルすることで、国内の法人教育市場でChromebookの導入に弾みをつけたい考えだ。

 また、同日に開催された発表会では、ASUS JAPAN 代表取締役社長のEmilie Lu氏、Ericom Software 社長兼最高経営責任者(CEO)のJoshua Behar氏が出席し、両社の意気込みを語った。

 「Chromebookは、北米の文教市場でiPadを抜くほどの成功を収めている。日本では以上に期待値の高い製品と見られている。Ericomとの協業により、セキュリティ強化やユーザー体験の向上といった施策に取り組んでいく」(Lu氏)

 「日本はとても大切な市場の1つ。Chromebookはウェブアプリケーションやクラウドへのアクセスが容易だが、多くの企業ではまだ多くのWindowsアプリケーションを抱えているのが実情だ。ChromebookにAccessNowを搭載することでこうした課題を解決できる」(Behar氏)

Joshua Behar氏(左)とEmilie Lu氏(右)
Chromebook Flipを持って新製品をアピールするJoshua Behar氏(左)とEmilie Lu氏

 Google認定パートナーの電算システムは、Chromebook FlipとAccessNowのバンドルモデルを特別価格で販売する。税別参考価格は、Chrome管理コンソール(1年間保守付き)の付属するスタンダードモデルが7万6300円、Chromebook FlipとAccessNow(同)のみのシンプルモデルが5万6300円。同日から受付を開始、11月上旬からの出荷を予定している。

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