エプソン販売は、2014年8月にサービスを開始したプリンタの新サービスモデル「エプソンのスマートチャージ」において、課金システムを活用し、短期間での立ち上げや迅速なビジネス展開を実現した。構築を支援したアビームコンサルティングとソフトウェアを提供したSAPジャパンが11月9日に発表した。
エプソンのスマートチャージは、エプソンが提案する複合機、プリンタの新しい導入方法。従来のコピー機とは異なり月額料金で利用できる、プリンタや複合機の利用、インクなどの消耗品、保守サービスが含まれたオールインワンのサービスとなっている。
月額基本料金はプリンタが5000円、複合機は6000円(いずれも税別)から。プランごとに設定している毎月の印刷枚数までは追加料金が発生しない。機器はエプソンが貸与する形となっており、ビジネスインクジェットの最新機器、消耗品、保守サービスを「モノ+コト売り」のパッケージで提供する、戦略的プロジェクトとなっている。
同ビジネスの基盤として採用したのは、SAPジャパンのビジネスソフトウェア製品「SAP hybris Billing」。課金ビジネスの形態に合わせて統合課金、統合請求、債権管理のコンポーネントで構成しており、中核となるエンジンを活用して効率的に課金計算し、請求処理まで一連の流れを実行する。
これにより、機器情報から収集したデータを活用することで、「使用量に応じた従量課金」の新商品やサービスを提供するというIoT型のビジネスモデルを生み出すことを実現した。なお、同ソリューションは海外でさまざまな業界の企業で採用されてきた実績があり、日本では今回のプロジェクトが商用での初導入になった。
またアビームは、同プロジェクトにおけるビジネスプロセスの策定から、構築、導入支援までを一貫してサポートした。具体的な内容は以下の通り。
- 業務プロセス(顧客・契約管理~課金計算~請求処理~請求明細書)のフロースルー化
- プリンタの印刷枚数に基づく料金プラン「基本料金+従量料金」やグループ契約課金(割引)などの高度な従量課金と請求機能の実現
- SAP hybris Billingを用いて設定ベース(ノンプログラム)で拡張性の高い課金計算機能を実装
- プリンターから消耗品(インク残量)データを収集して、消耗品の残量を検知し、自動補充指示する機能を提供