CTC、基幹系システム向けIaaSを2016年4月から提供--実使用ベースで従量課金

日川佳三 2015年10月09日 17時45分

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 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月9日、統合基幹業務システム(ERP)に代表されるミッションクリティカルな業務システムを動作させるためのIaaS「CUVICmc2」を発表した。2016年4月から提供する。

 ミッションクリティカル分野に特化したクラウド事業を営むVirtustreamの基盤ソフトをCTCのデータセンターに持ち込み、CTCが国内で提供する。Virtustreamのクラウド基盤を国内で提供するのはCTCが初めて。

菊地哲氏
CTC 代表取締役社長 菊地哲氏
Rodney Rogers氏
Virtustream チェアマン兼CEO Rodney Rogers氏

 ミッションクリティカル用途に求められる品質を備えたシステム資源を、CTCのデータセンターから従量課金型で提供する。仮想化技術を活用したマルチテナント型のIaaSとしたことで費用を抑えた。

 CTCによると、5年使った場合にオンプレミスと比べて20~50%安価になる。CTC自身のERP更改プロジェクトの試算では25%安い。想定する売上額は、2017年度(2018年3月期)に30億円(クラウド事業全体の10%)、オンプレミスとの接続やSIサービスなど周辺事業を含めて100億円を見込む。

 CTC代表取締役社長の菊地哲氏は、ミッションクリティカル分野でもクラウドの利用が広がると主張。「日本ではまだ基幹系システムはオンプレミスが普通だが、ユーザーと話をしてみると、クラウドへの欲求が強い。条件さえクリアすればクラウドに移行する」(菊地氏)

 Virtustreamチェアマン兼最高経営責任者(CEO)のRodney Rogers氏も、基幹系システムをクラウドで動かすことは一般的と説明。「サービスの提供を開始した2010年当時、SAPのERPをクラウドに乗せると言うとクレイジーと言われた。時代が変わった現在、誰もわれわれのことをクレイジーとは言わない」(Rodney Rogers氏)

レスポンス性能をSLAで保証--システム資源や運用体制の品質を重視

 CUVICmc2の特徴は(1)稼働率だけでなく、レスポンス性能までSLA(サービスレベル契約)で保証、(2)IT技術や運用のガバナンス(統制)でセキュリティとコンプライアンスを維持、(3)仮想マシンのスペックや台数単位ではなく、システムの実負荷に応じて課金――の3つを挙げている。CTCによれば、IaaSでこれらを兼ね備えたものはCUVICmc2以外にはないという。

CUVICmc2の特徴は性能保証、セキュリティ、実使用ベースの従量課金の3つ
CUVICmc2の特徴は性能保証、セキュリティ、実使用ベースの従量課金の3つ(CTC提供)

 基幹系システムの特性にあわせ、事前のコンサルティングや導入サービス(構築、移行)、移行後の運用サービスなどもサービスメニュー化した。IaaSのプラットフォームでは、汎用的な用途に使えるサーバやストレージのほかに、インメモリデータベース「SAP HANA」専用の基盤サーバも用意する(HANAのソフトウェアライセンスは持ち込み)。

CUVICmc2のサービスメニュー
CUVICmc2のサービスメニュー(CTC提供)

 サーバは、社内システムとして安全に運用できるように、インターネットに接続しない形態も用意した。ストレージは、応答性能に応じて1次ストレージからバックアップ/アーカイブ用まで3階層のメニューを用意した。サーバとストレージともに、災害復旧(DR)対策のためのレプリケーションを利用できる。運用サービスは、ユーザー企業ごとに専任の担当者を用意し、障害対応の時間帯などに応じて3段階のメニューを用意した。

リードタイムを21日間から6時間に

 CUVICmc2上で動作させる代表的な基幹系アプリケーションが、SAPのERP(HANAなど)だ。SAPジャパン代表取締役社長の福田譲氏は、HANAによってビッグデータやIoT(Internet of Things、モノのインターネット)とERPがつながることで、新しいビジネスを作り出せるとアピール。ビッグデータの活用事例として、ドイツのKaeser Kompressorenと米Harley-Davidsonを紹介した。

 Kaeser Kompressorenは圧縮機械メーカーだが、圧縮機械を販売する代わりに、センサを取り付けた圧縮機械をユーザー企業に設置し、作り出した圧縮空気の量に応じて課金するモデルを取り入れた。センサデータの分析で予防保全も実施する。

 Harley-Davidsonはカスタマイズによる多品種少量生産メーカー。ITによって生産ラインや部品、サプライヤーをつなぐことでオーダーから出荷までのリードタイムを21日間から6時間へと短縮した。

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