NEC、自社IaaSに従量課金ソフトウェアやAPIなど提供

NO BUDGET

2015-04-23 16:26

 NECは4月23日、高いコストパフォーマンス、高性能、高信頼を実現したクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の強化を発表した。

 具体的には、NEC Cloud IaaSと合わせて、NECの主力ミドルウェア全6ブランドを中心としたソフトウェア製品約30種の従量課金によるオンライン販売を開始するほか、外部アプリケーションからNEC Cloud IaaSの操作(約200種)を可能としシステム構築、運用を効率化するAPIの提供、不正行為防止に有効なID&アクセス管理サービスの強化などを行う。

 NECでは、本サービスを含むクラウド基盤事業について、2017年度に1200億円の売上を目指す。

 今回の強化ポイントは以下の通り。

ソフトウェアを従量課金でオンライン販売

 NEC Cloud IaaSと合わせて、運用管理やサービス実行基盤、セキュリティなどNECの主力ミドルウェア全6ブランドを中心としたソフトウェア製品約30種を、時間単位の従量制を含む3種の課金形態で6月15日からオンラインで販売する。

 課金形態の種類は、従来月額ライセンスをオンライン販売形態に対応させた「月額固定」に加え、「従量課金(月単位)」と「従量課金(時間単位)」を新設、3種類のライセンスを選べるようにした。


 これにより、必要となる最大数のソフトウェアのライセンスを事前購入して利用する従来の方法に比べ、利用状況に応じライセンス料金を支払うことでコストの最適化が可能。例えば、通販などのECシステムの場合、同社の試算によると年間で約50%のソフトウェアコストを低減するという。

 販売製品は今後、業種・業務別ソフトウェアなど順次拡大予定。

NEC Cloud IaaS上のシステム構築・運用を効率化するAPIを提供

 顧客が利用する様々なアプリケーションから、顧客自身の運用形態に合わせてNEC Cloud IaaS上のシステムに関する一括構築/起動/停止、監視の一時停止/再開など約200種の操作を設定可能とするAPIを4月27日より提供する。

 NECのジョブ管理ソフトウェア「WebSAM JobCenter」では、GUIを用いて画面上で業務の流れを定義することでAPIの活用が可能。これにより、NEC Cloud IaaS上で行う定型業務に関する運用自動化を容易に実現できる。これにより、事業環境の変化に伴うシステム構成変更への早期対応や、運用効率化に貢献。

 例えば、バッチ業務やバックアップ業務を夜間や休日のみ行う場合、必要なシステムを必要な時間帯のみAPIを活用して作成することで、コストを抑えながら安定した運用が可能となる。

不正行為防止に有効なID&アクセス管理サービスを強化

 NEC Cloud IaaSのID&アクセス管理サービスについて、管理対象サーバへのログイン履歴を定期的に収集し、事前に承認された作業予定と突き合わせることで不正を検知する機能を追加。これにより、外部からの侵入者を含め承認を得ていない不正アクセスを自動的に検知し、早期発見・対策を実現する。

 また、ログイン後に事前申請のないコマンドを操作した際、即座に管理者へ警告メッセージを送信する機能を追加する。これにより、不正操作に対する抑止力と対応力を向上。両機能はいずれも4月27日より提供。

内部統制報告書「SOC2/Type2レポート」の取得

 NEC Cloud IaaSおよびその提供基盤である「NEC神奈川データセンター」において、米国公認会計士協会が定めた内部統制の保証報告書である「SOC2/Type2レポート」を取得(Type2は一定期間における運用状況の評価を受けたもの。

 一時点の評価である「SOC2/Type1レポート」は、NEC神奈川データセンターにおいて2014年に取得済)。NEC Cloud IaaSの内部統制が、米国公認会計士協会が定めた基準の要求事項(今回取得したSOC2保証報告書ではセキュリティ及び可用性が評価対象)を満たしていることが第三者機関により評価された。

 これにより、データの安全性やシステムの信頼性に関してグローバルな基準に対応していることが保証され、顧客は安心してクラウドサービスを利用できると同時に、顧客の内部監査などの対応業務の効率化を実現する。

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