Gartnerが、Infrastructure as a Service(IaaS)市場のトップを走る15社をランキングした「2014 Magic Quadrant on IaaS」を発表した。Amazon Web Services(AWS)が4つの象限のうちの1つ「リーダー(Leaders)」の中で第1位につけ、Iaas市場を依然独占していることを再確認できる内容になっている。
Microsoftの「Azure Cloud」は2013年の「概念先行型(Visionaries)」から、2社目の「リーダー」に格上げされた。市場シェアではAWSに水をあけられているが、他の競合に比べるとかなり有利な位置につけている。
縦軸が「実行能力」、横軸が「ビジョンの完全性」を表す。
提供:Gartner
Gartnerは詳細な50ページのレポートの中で、AWSの多様な顧客ベース、積極的な価格戦略、エンタープライズ向けやミッションクリティカルなアプリケーションを含む最も広範なユースケースに着目し、同サービスを絶賛している。
「IaaS機能やPaaS風の機能を最も豊富に備え、提供サービスを迅速に拡大し続けている。戦略的な導入案件で最もよく選ばれるプロバイダーだ」(同レポート)
早期に参入したAWSは競合より数年先を行っているが、今後は従来の法人市場でMicrosoftと、クラウドネイティブ市場ではGoogleと競争が激化するとみられている。
Gartnerのレポートによると、MicrosoftはAzureのIaaS機能を1年余り前に一般公開したばかりであるにもかかわらず、Azureクラウドサービスは既に市場に深く浸透しているという。
一方、Rackspaceは一歩後退し、「特定市場指向型(Niche Players)」に格下げされた。
VMware、富士通、Hewlett-Packard(HP)、Dimension Data、Virtustream、Joyent、GoGridも「特定市場指向型」に分類されている。Gartnerは2013年、RackspaceにMicrosoftと同等の評価を与え、「概念先行型」に分類していた。しかし、Rackspaceの製品は開発者中心で、大企業への訴求力に欠けるほか、価値提案も平凡だったため、Gartnerは同社を格下げした。
Computer Sciences Corporation(CSC)は「リーダー」象限から脱落し、多くの企業が分類された「概念先行型」に降格した。この象限にはほかに、Google、IBM(SoftLayer)、CenturyLink、Verizon Terremarkがいる。
Gartnerによると、この5社は自社の改革に取り組んでいる最中であり、今後は市場3位の座をめぐって激しい戦いを繰り広げる可能性が高いという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。