シャノンとタブローが提携--MAツールのデータを可視化

山田竜司 (編集部)

2015-11-19 20:06

 シャノンとTableau Japanは11月18日、サービス提供や販売の分野で業務提携すると発表した。マーケティングオートメーション(MA)ツール「SHANON MARKETING PLATFORM」(SMP)の機能を拡張し、データをグラフを使って可視化するエンジンとしてTableauを採用した。

 また、KPIを定点観測するためのマーケティング分析機能を提供する。具体的にはデータ分析ツール「Tableau Desktop」から直接接続できるデータウェアハウスと、作成したダッシュボードの共有、共同作業ができるクラウド環境を提供するという。

 さらに、APIで外部データと連携し、Google AnalyticsやSAP、セールスフォースなどとSMPのデータを組み合わせたデータもTableauで可視化できるとした。

 提携に伴い、SMPにて標準管理されているデータを可視化する標準ダッシュボードを提供する。SMP内に管理されている登録データをビジュアライズして可視化し、マーケティング活動のレポーティングに必要なダッシュボードを3アカウントまで(以降は1アカウント5000円)ユーザーに無償で提供する。


 初期のリリースでは9つのダッシュボードを用意、以降ユーザーの要望などを受け、シャノンが提唱するKPIを含めたマーケティングに必要なダッシュボードを定期的に追加する予定だ。

 販売面では、Tableau Japan社内のセールスにSMP勉強会を開催し、サービスリリースを起点に、共同プロモーションの展開、共催セミナーや製品トレーニング、同行営業を両社で実施する。

 提携の背景として挙げるのはデータビジュアライズの必要性だ。シャノンの代表取締役CEO(最高経営責任者)の中村健一郎氏は、自社の調査で多くの企業がマーケティングの主な課題に「活動の成果が見えないこと」を挙げ、40%が「KPIが定まっていない」という結果が出たと説明。成果の評価対象を具体的な数字(商談数や売り上げなど)で見る上で、データをビジュアルで可視化するニーズがあると指摘した。

 マーケティング部が、データサイエンティストのような専門的な知識を用いず、IT部門にデータ抽出を依頼するような技能がなくとも、データ分析により ROIを高める検証、判断、行動につなげる環境を整備するために採用に至ったとした。

 Tableau Japanの浜田俊社長は、2014年にTableau Desktopの導入が400社超、2015年もこれを大きく上回る80%超の成長率で推移と説明、ユーザーのリテラシーに関係なく、ビジュアル化したデータを見るニーズが高いことを示唆した。

 初年度は、まずは有償、無償問わずSMPユーザーのうち300社への適用を見込んでいる。


シャノンの代表取締役CEOの中村健一郎氏(左)とTableau Japanの浜田俊社長(右)

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