スウェーデンに本拠を置く研究開発機関、Centre of Applied Autonomous Sensor SystemsでAPPLEのプログラミングに携わったRobert Krug氏は、倉庫を自動化する技術の近い将来の実用化に向けて、APPLEは着実な進歩だと考えている。
「まだ人間の作業スピードには遠く及ばないものの、過去にあった同種のシステムに比べ長足の進歩を遂げている」(同氏)

提供:Robert Krug
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Krug氏は、Amazonが目標としているタイプのピックアップシステムが、2020年代の早いタイミングで実用化されると予想し、以下のように語った。
「最初の実用的なロボットの登場が3年後になるのか、5年後になるのかは分からないが、極めて近い将来に実用化されるのは間違いないと確信している」
「業界のリーダーであるAmazonが(倉庫の自動化に)強い関心を示しているのは、同社が間もなく大きな変化が訪れると考えている証拠だ。さもなくば、同社が倉庫の自動化にこれほどの資金と労力を投入するはずがない」
Krug氏は、ピックアップロボットなどコンピュータ化された新システムの倉庫への導入は、徐々に進むことになると考えている。システムの導入当初は、人間と同等以上のパフォーマンスを安定して発揮すると確認されるまで、少数の人間が現場でシステムを監視する形になるという。
「ピックアップロボットが98%の稼働率を達成できたとしても、残りの2%をどうするかという問題がある。一つの解決策は、作業ルーチンに少数の人間を組み入れることだ。たとえばロボットが異常を起こしたときに備えて、緊急時に作業を支援する人間を配置すべきかもしれない」(同氏)
「ロボットへの依存度が高まることで人間の仕事が奪われるのではないか」という質問に対し、Amazonは「自動化が進むにつれて従業員の数も急速に増加しているのが現状だ」と回答している。
しかしAmazonは、ピックアップロボットが実用化された暁に、同数の従業員を雇用し続けて採算が合うのかどうかについては言及していない。この点についてAmazonにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。