海外コメンタリー

「Spark」でHPEと連携など--Hortonworksの動きが意味すること - (page 2)

Andrew Brust (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-03-08 06:15

HDPの新たなパッケージとリリーススケジュール/頻度

 同社はHDPと、Hadoopのコア、「Open Data Platform initiative(ODPi)」(創設メンバーとして同社も名を連ねている)による拡張仕様を整合性あるものにしようとしている。また同社は、コアコンポーネントのリリース頻度を年1回に減らす予定だ。こういったコアコンポーネントには「Apache Hadoop YARN」や「Hadoop Distributed File System」(HDFS)、「MapReduce」「Apache ZooKeeper」が含まれている。一方、「Apache Hive」や「Apache Pig」、Apache Sparkといったその他のコンポーネントのリリースはより頻繁に実施されることになる。

 拡張部分に目を向けるとHortonworksは、「Apache Ambari」の新たなリリースについても説明した。Apache Ambariを「Hortonworks SmartSense」とともに利用することで、Hadoopの管理がさらに容易になるとともに、運用上の問題解決に向けた自動化の促進が可能になる。同社は、Apache AmbariによってHadoopの管理がいかに容易になるのかを説明するために、「1枚のガラス」という表現を用いていた。エンタープライズ環境に向けたHortonworksの野心のほどに疑いを抱いたことがある人でも、企業を視野に入れたこの表現で疑念は払拭されるはずだ。

それが意味すること

 これら一連の発表を念頭に置いたうえで、何らかの共通点を見出すとともに、同社の低迷している株価に喝を入れ、市場へのアプローチを改善/再起動するためのニーズとの関連を見てみることにしたい。

 同社の発表のうち最も重要だと考えられる共通点は、エンタープライズ環境での導入を念頭に置いているというところにある。リリース頻度の引き下げにより、IT部門における管理の容易さとコスト削減がもたらされるため、企業にとっては採用に向けた敷居が低くなる。Hadoopがまだ実験的なツールだった頃には、顧客の要求は「最新かつ最大の結果」をもたらし続けることだった。しかしHadoopのクラスタが企業全体に配備されるようになる、すなわち中心的な役割を担い、多くの部門がそれに依存するようになると、安定稼働が重視されるとともに、アップグレードによる稼働状況の変動はコスト的にもリスク的にも高いものとなる。そういった点で、コアプラットフォームのリリースを年に1度にするのは大きな意味を持っている。またODPiという旗印を掲げることで、ClouderaやMapRといった他の大手HadoopベンダーがODPiに参加しなかったとしても、業界標準だという安心感がもたらされる。

 次にApache Sparkに目を向けると、Hortonworksはこれが今や業界標準になっていると認識している。その一方で、メモリ指向技術であるという点から、データ容量のスケーラビリティがMapReduceや「Apache Tez」に匹敵していないという事実は残っている。このためHortonworksは、Apache Sparkを全面的に推し進めるとともに、スケーラビリティの向上にまい進する必要がある。このような思いがHPEとの提携の根底に流れている。従って、エンタープライズ向けのソフトウェアやサーバを手がける企業との提携はマイナスとはならないだろう。

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