グーグルのAI「AlphaGo」、人間との囲碁対局で最終戦も制す--4勝1敗で勝ち越し

Lance Whitney (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2016-03-16 07:36

 人間と人工知能(AI)の間で激しい戦いが繰り広げられた今回の囲碁対局だったが、結局勝利したのは人工知能だった。

 Googleの人工知能プログラム「AlphaGo」は韓国で現地時間3月15日、世界最強棋士の1人であるLee Se-dol氏との最終戦となった第5局を制した。AlphaGoは、今回の5局勝負を4勝1敗で勝ち越し、コンピュータ知能の飛躍的進歩を世界に知らしめることとなった。

 ただし、コンピュータが完璧だったとはいえない。第4局に敗れたAlphaGoにとって第5局も苦しい展開となったが、最終的にはLee氏が280手目で投了し、再び勝利を手にすることとなった。

 解説を務めたMichael Redmond氏は、「どの時点でAlphaGoが優勢または劣勢だったかを指摘するのは難しく、全体を通して互角の戦いだった」と述べた。「AlphaGoが盤中央に打った48手目は、第4局に似たミスのように見えた。それ以降、AlphaGoは盤中央を非常にうまく攻め、戦いは長く、非常に厳しい終盤へともつれこんだ」(Redmond氏)

 GoogleのDeepMindチームが開発したAlphaGoは、ニューラルネットワークなどの高度な機械学習技術を活用して、盤位置を評価し、次の手を決定する。

 長年にわたり、人工知能はトップレベルの囲碁棋士に勝てないと思っていた多くの人々にとって、AlphaGoの勝利は驚きだった。しかし、Facebookによる画像認識といった日常的な技術での利用を含め、AI関連の現在の取り組みのすべてにおいて、実際の問題に対する人間の適応、意思決定、解決能力と比べると、まだかなり制約が残る状態にある。

 勝利したAlphaGoが獲得した100万ドルの賞金は、Google DeepMindによって国連児童基金(UNICEF)や科学、技術、工学、数学(STEM)関連の慈善団体、そして各種囲碁協会に寄付される予定だ。

GoogleのAlphaGoを相手にするLee Se-dol氏
GoogleのAlphaGoを相手にするLee Se-dol氏
提供:Screenshot by CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]