NECは3月24日、情報漏洩対策ソフトウェアの新版「InfoCage FileShell V3.0」の販売を開始した。新版ではクラウドサービス「Azure Active Directory Rights Management(Azure RMS)」と連携する。「Microsoft Office 365」のユーザー企業は、オンプレミス構成よりコストを抑えたファイル暗号化システムを導入できるという。
外部に誤って送信したファイルを遠隔で消去する機能「持出閲覧形式保護」をオプションとして提供する。1ライセンスあたりの税別価格は1万3000円、持出閲覧形式保護が3900円。
InfoCage FileShellは、ファイル権限管理(Information Rights Management:IRM)技術を活用した情報漏洩対策ソフトウェア。自動的にファイルを暗号化し、パスワード入力などの復号操作を不要にするため、エンドユーザーの利便性を損なわず導入できるという。
暗号化されたファイルは、Active Directoryで設定した範囲でのみ閲覧、編集できるため、ファイルが意図しない範囲に流出しても情報漏洩を防止する。最新版では、Azure RMSと連携することでファイル暗号化システムの導入コストを削減できるとともに外部と情報を安全に共有できるようになるという。
Azure RMSはユーザーIDの管理機能や認証機能を有したクラウドサービス。Office 365ユーザー向けにユーザーIDの管理機能や認証機能を提供。Office 365 Enterprise E3プラン以上のライセンスでは、標準で利用可能となっている。
オンプレミス環境とクラウド環境での構築比較(NEC提供)
オプションの持出閲覧形式保護を追加することで、取引先などの外部のユーザーと暗号化したファイルも共有できる。外部と共有するための暗号化ファイルの暗号化強度はAES256。無償でダウンロードできる閲覧専用ツール「持出閲覧形式保護ファイルビューアー」で共有された暗号化ファイルを閲覧できる。
利用者が誤って第三者にファイルを送付した場合や誤ったファイルを送付した場合でも遠隔で暗号化ファイルを削除できる。「削除申請サーバ」に登録することで外部ユーザーが閲覧した時に削除する仕組みとなっている。
持出閲覧形式保護オプションの利用イメージ図(NEC提供)
NECは、オンプレミス環境でもコストを抑えたファイル暗号化システムの導入を支援するSIメニューを準備中としている。新版の販売目標は2016年4月から2年間で20億円。InfoCage FileShellはこれまでに累計50万クライアント以上の導入実績があるとしている。