サンディエゴ発--The Linux Foundationは米国時間4月5日、当地で開催中の「Embedded Linux Conference」にて最新のプロジェクト「Civil Infrastructure Platform(CIP)」を発表した。社会インフラと世界規模での経済発展のための基本的サービスを提供するのに必要なオープンソースのフレームワーク構築を目指す。
ではCIPは具体的にどのようなものか?CIPのプロジェクトにあるFAQによると、CIPのコードの利用が想定されるのは「人間の活動を支援するインフラの監督、制御、管理を行う技術的システム。たとえば、発電、エネルギーの供給、石油とガス、水、汚水、ヘルスケア、通信、運輸、コミュニティ管理などが挙げられる。これらのシステムは基本的なサービスを届け、安心や安全を提供し、ソーシャルなやりとりと経済発展を支援する。社会のライフラインといえる」とのことだ。
提供:The Linux Foundation
これは非常に大きなビジネスだ。The Linux Foundationのプレスリリースでも紹介されている通り、2014年版のPricewaterhouseCoopers(PwC)のレポートでは世界のインフラの需要は2012年には年間4兆ドルだったが、途上国市場の急速な成長により2025年には9兆ドル規模に達すると予想している。
CIPはLinuxカーネルやその他のオープンソースプロジェクトと作業し、産業レベルのソフトウェアの「土台レイヤー」を構築する。このレイヤーにより、産業と市民のインフラに安心・安全で信頼性が高く、セキュリティに関する要件も満たすためのソフトウェアビルディングブロックの利用が可能になる。CIPはオープンソースプロジェクトとして産業をまたいで協業的に作業しながら、社会インフラプロジェクトが直面する課題の解決を図るという。
課題として、コスト、スピード、相互運用性、信頼性、セキュリティと安全性、持続性などを挙げている。また、既存のオープンソースソフトウェアと産業およびインフラの要件の間にギャップがあり、リアルタイムや職務的な安全性の支援への対応、それに長期的な可用性、互換性、セキュリティも課題となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。