日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は4月11日、国内企業の社員教育におけるeラーニング実施状況などのアンケート調査結果を発表した。調査は2015年11月から2016年1月にかけて、国内企業360社の人事・教育担当者を対象として実施、社員教育におけるeラーニングの実施状況、導入理由や実施教育テーマなどを質問している。
それによると、eラーニングの実施率は80.0%と、2014年度調査時の62.3%から1.3倍に増加しており、中でも従業員規模3000人以上の企業では95.8%と高い割合で導入されていることが分かった。
調査結果の概要は以下の通り。
eラーニング実施率は2014年度に比べ大きく増加
eラーニングの実施状況では、80.0%(288社)が「実施している」と回答、2014年度に比べ、実施率は大きく増加した。一方、「一度も実施したことがない」企業は12.8%(46社)、「過去に実施したことがあるが、現在は実施していない」企業が6.4%(23社)で、eラーニング非実施企業は19.2%(69社)となっている。
(JMAM提供)
従業員規模別にみると、3000人未満の企業では実施率が80%未満であるのに対し、3000人以上の企業では90%以上となった。
(JMAM提供)
eラーニング導入理由は「同時教育」「手軽さ」が6割以上
eラーニング導入理由についての回答は、「多数の社員の同時教育が可能である」が67.4%で最多となった。以下、「手軽に学べる」(60.1%)、「学習時間が短く、隙間時間での学習が可能」(50.0%)、「コストパフォーマンスに優れている」(42.0%)、「基本・基礎教育に適している」(30.6%)、「遠隔地(海外含む)でも同一の教育が可能」(29.9%)と続く。
2014年度調査と比較すると、「手軽に学べる」や「スマホやタブレットでの受講も可能である」が15ポイント以上増加している。
(JMAM提供)
eラーニングで実施している教育テーマは「コンプライアンス」が54.2%
eラーニングで実施している教育テーマは、「コンプライアンス」が54.2%と半数以上が挙げており、以下、「ビジネススキル」(47.9%)、「ヒューマンスキル」(44.4%)、「情報セキュリティ」(44.1%)、「個人情報保護」(41.0%)、「メンタルヘルス」(40.3%)と続く。
2014年度調査と比較すると、「メンタルヘルス」「ハラスメント」が10ポイント以上増加している。
(JMAM提供)
eラーニングツール選定では3分の2近くが「価格」を重視
eラーニングツール選定時に重視する点としては、「価格」(66.0%)、「わかりやすさ等、教材の品質」(58.3%)、「コースラインアップの多さ」(54.9%)の3項目が50%を超えている。
2014年度調査と比較すると、「コースラインアップの多さ」が約15ポイント増加し、「スマホやタブレット対応コースの多さ」も約10ポイント増加している。
(JMAM提供)
eラーニング活用のために期待することは「コースラインアップの充実」が7割
eラーニング活用のために期待することとして「コースラインアップの充実」が69.8%と最多。以下、「低価格化」(42.7%)、「受講者管理等のシステム利便性の向上」(37.5%)、「スマホ・タブレット対応コースの充実」(36.1%)と続く。
2014年度調査と比較すると、「スマホ・タブレット対応コースの充実」の割合がやや減少し、「コースの改訂頻度の高さ」がやや増加している。
(JMAM提供)