NRI、AI型対話システム「TRAINA」提供--対話シナリオを自動で生成

NO BUDGET

2016-07-01 13:46

 野村総合研究所(NRI)は6月30日、コールセンターを含む窓口業務に活用できる人工知能(AI)型対話システム「TRAINA」を発表した。7月から提供する。

 TRAINAは、問い合わせの内容を的確に理解し、過去に得た知識をもとに回答候補を提示したり、自動で回答したりできるという。これまでのAIによる対話型システムでは、対話を成立させるための膨大かつ複雑なシナリオを準備する必要があった。TRAINAの場合、対話シナリオを自動で生成でき、導入期間やコストを削減できるという。

TRAINAの利用イメージ(NRI提供)
TRAINAの利用イメージ(NRI提供)

 TRAINAは、テキストマイニングやセマンティック、全文検索など、NRIが長年培ってきた自然言語処理技術を使ったテキスト解析ソリューション群「TRUE TELLER」にAIを使った対話技術を取り入れて開発した。

 これまでの対話型システムでは、利用者とのやりとりが原則として一問一答型となっており、質問が曖昧な場合には、システムが的確に回答できない場合も多かった。

 TRAINAでは、利用者からの曖昧な質問をシステム側で解釈し、利用者の目的や意図を絞り込むための新たな質問を投げかけるといった自然な対話を繰り返すことで、利用者のニーズに的確に合致した回答を提供する。この追加質問や回答は、既存システムで蓄積した膨大なナレッジから導かれているという。

 オペレーターがTRAINAを利用することで窓口業務をより高度化できると説明。PCやスマートフォンを通じた利用者からの質問に対して、TRAINAが自動回答することで窓口業務を効率化できるとしている。

TechRepublic Japan関連記事

 従来の対話型システムでは、利用者の質問を想定しながら、応答に必要な対話シナリオを手作業で細かく作り込む必要があった。対するTRAINAではマニュアルやFAQなどを統合、最適化し、応対に必要なシナリオ(知識コンテンツ)を自動的に作成できる。

 また、利用者との対話記録が蓄積していくにつれて、自動学習で対話と応答の精度を向上させられる。対話シナリオのベースとなるマニュアルやFAQを分析、評価し、内容の修正や不足個所を特定して、対話シナリオのブラッシュアップを促す仕組みも備える。こうした機能からAIの導入や拡張に要する期間とコストを大幅に削減できるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]