ノークリサーチは7月12日、中堅企業におけるフラッシュストレージ、統合ストレージ、階層化ストレージといった新しいストレージ形態の活用意向に関する調査結果を公表した。
年商100~300億円の企業層ではオールフラッシュよりハイブリッドの導入意向がやや高い
上のグラフは、年商100億円以上~300億円未満の中堅中位企業層に対して今後3年以内に導入する可能性が最も高いと思われる新しいストレージ形態を尋ねた結果の一部を抜粋したもの。年商100億円を超える中堅中位企業層においても、今後3年以内にフラッシュストレージなどの新しいストレージ形態を導入しようと考える企業の割合はそれほど高くなく、「オールフラッシュストレージ」と比べて「ハイブリッドストレージ」の回答割合が高い点もIT予算の制約を反映していると考えられる。
この結果に対し同社では、こうした先進的なIT活用に取り組む企業は、その後も活発なIT投資を続ける傾向が高いとしている。
ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(SDS)を訴求すべき年商帯は意外と高い点に注意
下のグラフは年商50~100億円の中堅下位企業層および年商100~300億円の中堅中位企業層に対して「新しいストレージ形態のメリットと考えられる事柄」を尋ねた結果から、一部を抜粋してプロットしたもの。
「ストレージ機器の管理/運用がシンプルになる」「高度なストレージ機器を導入する必要がなくなる」といった項目は、「ハイブリッドフラッシュストレージ」「階層化ストレージ」「統合ストレージ」などにより、複数種類のディスクを組み合わせることで性能と費用のバランスを取ったり、複数台必要だったストレージ機器を集約するといった効果を期待していることを示しており、年商規模(データ量とも相関が高い)が大きくなるにつれて回答割合も高くなってくる。
また、「通常のサーバH/Wをストレージとして利用できる」も、同じく中堅下位企業層と比べて中堅中位企業層の方が高くなっているが、これは主として「ソフトウェア・ディファインド・ストレージ(サーバベース型)」によって得られるメリットの1つだ。
この形態は「サーバハードウェア+ソフトウェアで実現される高度な分散ストレージ環境」で、従来から存在する「汎用サーバをベースとしたファイルサーバ」とは異なる。新しいストレージ形態がもたらすメリットやデメリットを把握する際には、既存のストレージ形態からの類推にとらわれないように注意する必要があると同社は指摘する。
調査は、同社が発行する「2016年版 中堅・中小企業におけるストレージ活用の動向予測レポート」に向けてのもので、日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業における企業経営もしくはITの導入/選定/運用作業」かつ「ストレージの導入/管理の意思決定または実作業に関わる職責の人物を対象として5月中旬に実施され、有効回答件数は328件。