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調査

危険なインシデントの9割はメール経由でやってくる--IBM調査

NO BUDGET

2016-09-28 07:00

 日本IBMは9月8日、東京を含む全世界10拠点のIBMセキュリティー・オペレーション・センター(SOC)にて観測したセキュリティイベント情報に基づき、主として日本国内の企業環境で観測された脅威動向をTokyo SOCが独自の視点で分析・解説した「2016年上半期Tokyo SOC情報分析レポート」を発表した。

 2016年上半期(1~6月)は、2015年に引き続きクライアントPCをマルウェアに感染させ、ファイルの暗号化を行うランサムウェア(身代金要求型マルウェア)や、クレジットカード情報やオンライン・バンキングの口座情報などを窃取する金融マルウェアが話題となった。

 全世界10拠点のIBM SOCで発生したセキュリティー・アラートを元にまとめた、今期発生した攻撃の概要は以下の通り。

高危険度のセキュリティー・インシデントの推移

 IBM SOCでは、セキュリティー機器から収集した1日あたり200億件以上のセキュリティー・イベントを相関分析エンジンで分析した結果、アナリストが調査すべきと判断したものをセキュリティー・アラートと位置付けており、さらにセキュリティー・アラートをアナリストが調査した結果、ユーザーに影響がある可能性のあるものをセキュリティー・インシデントとして通知している。

 今期、Tokyo SOCのアナリストが調査を行ったセキュリティー・アラートのうち、高危険度(攻撃によって具体的な影響が確認されているもの)のセキュリティー・インシデントとして、ユーザーへ通知を行った件数の推移は下図の通り。


Tokyo SOCで高危険度と判断し通知した件数の推移(2015年7月1日~2016年6月30日)

 すでに2015年下半期のレポートで、Tokyo SOCにおける高危険度のセキュリティー・インシデントが2015年9月より急増していると紹介したが、2016年1月になってさらに増加の傾向が確認されまている。2016年上半期のインシデントの主な内容は、金融マルウェアへの感染を示す通信、およびランサムウェアへの感染を示す通信となっており、いずれもクライアントPCのマルウェア感染に関連するものだったという。

Tokyo SOCにおけるセキュリティー・インシデントの動向

 2016年上半期のTokyo SOCで発生したセキュリティー・インシデント全体の中で、サーバに対する攻撃と、クライアントPCに対する攻撃の割合を比較したところ、全体の66.4%がサーバに対する攻撃だった(下図)。ただしサーバに対する攻撃では、前述のとおり高危険度のものは発生していないという。


セキュリティー・インシデントの発生箇所(2016年1月1日~2016年6月30日)

 サーバーに対する攻撃の内訳は下図の通り、Webアプリケーション全般に対する攻撃が61.2%を占め、次いでユーザーID・パスワードを特定するための総当り攻撃(ブルートフォース攻撃)が19.8%、特定の製品の脆弱性を狙う攻撃が14.7%となっている。なお、最多となったウェブアプリケーション全般に対する攻撃では、コマンドインジェクションおよびSQLインジェクションが主流だったという。また、OpenSSLの脆弱性(Heartbleed)やJoomlaの脆弱性に対する攻撃等、特定の製品の脆弱性を狙う攻撃も確認されているとのこと。


サーバに対する攻撃の内訳(2016年1月1日~2016年6月30日)

 一方、クライアントPCを対象とした攻撃は、主にWebサイトやメール経由でクライアントPCをマルウェアに感染させるものだった。2016年上半期の攻撃経路をみると、下図のようにメール経由での攻撃がクライアントPCに対する攻撃の93.4%を占めている。それに対し、ウェブサイトを経由した攻撃はわずか1.7%となっている。これは、ウェブサイト経由の攻撃(ドライブ・バイ・ダウンロード攻撃)が、2015年下半期と比較すると6分の1以下と大幅に減少していることが要因と考えられる。


クライアントPCに対する攻撃の経由元(2016年1月1日~2016年6月30日)

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