シスコがSMB市場に4万円台のCatalystスイッチを投入

日川佳三 2016年10月02日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 シスコシステムズは9月28日、社員100人以下の中小企業に向けて日本語化と低価格化を前面に打ち出したネットワーク機器のブランド「Cisco Start」を強化した。IOSを搭載したCatalystブランドのスイッチでありながら価格設定を4万円台からとした「Cisco Catalyst 2960Lシリーズ」をラインアップに追加した。10月から販売する。

Cisco Catalyst 2960Lシリーズの外観
Cisco Catalyst 2960Lシリーズの外観

 社員100人以下の企業には、予算やIT管理者が少ないという特徴がある。この市場では、設定画面が日本語化されていることと、サポートを含めた製品価格が安いことが求められる。シスコシステムズでは、この需要に応える製品群として、新製品のルータ「Cisco 841M Jシリーズ」を中核に、2005年9月にCisco Startブランドを開始した。Cisco Startの販売パートナーは、2015年10月時点の60社から2016年9月現在では1797社へと増えた。

 今回のCisco Startブランド強化のハイライトは、スイッチ機器としてCisco Catalyst 2960Lを追加したこと。この背景をシスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏は「Cisco Startを開始してから1年間でSOHO向けルーターの市場シェアを9%から16%に伸ばすことに成功した。ルーターの導入を契機にスイッチや無線LANの導入意欲が広がっている。ここに製品を投入する」と説明する。

Catalystスイッチが4万円台から

シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏
シスコシステムズ 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏

 Cisco Catalyst 2960Lは、オフィスに設置して社員のクライアントPCを収容する、いわゆる“島ハブ”の用途に向いたレイヤ2スイッチ機器だ。先行するルータと同様、同社の他のネットワーク機器と同様にOSソフトウェアとしてCisco IOSを搭載するとともに、日本語のウェブGUIを備える。

 価格は、8ポートモデルで4万円台からと低く抑えた。これに対して、既存のCatalystブランドのエントリー製品「Cisco Catalyst 2960-C」は、10万円を超える程度の価格で販売されている。Cisco Startは10万円を切る価格がコンセプトなので、より安価な製品が必要だった。

 製品化に当たり、日本の小規模企業の需要を製品仕様に反映した。例えば、「日本の島は10人以上が向かい合わせなので、8ポートでは少ない」(高橋氏)という需要から、16ポートモデルを用意。8ポートモデルと16ポートモデルについては、鉄製の机の側面に張り付けられるようにマグネットを装備した。さらに、静音性を保つため、48ポートのPoE(Power over Ethernet)モデルを除いてファンレスとした。

非IOSスイッチと無線LAN製品も刷新

 今回のCisco Startの強化では、Cisco IOSが不要なユーザーに向けたスイッチも刷新した。これまで提供してきた「Cisco SG300シリーズ」の後継として「Cisco SG350シリーズ」を用意した。価格は3万円台からで、9月から販売している。既存製品との違いは、USBポートを搭載したことなど。これにより、運用管理性が高まった。

 Cisco SG350は、Cisco Catalyst 2960Lと異なり、OSソフトウェアとしてCisco IOSを搭載していないので、IOSのCLI(Command Line Interface)を使うことはできない。他のCisco Start製品と同様に、ウェブGUIは日本語化されている。「小規模企業の多くは、(SNMPで管理できないといった)管理性の悪いスイッチを使っている。だから管理性の高いCisco SG350を提供する」(高橋氏)

 無線LANアクセスポイントのラインアップも強化した。無線LANコントローラを内蔵した上位製品「Cisco Aironet 1830/1850シリーズ」は、既存製品にはなかった日本語ウェブGUIを搭載した。さらに、無線LANの最新規格であるIEEE802.11ac Wave2を実装した。

Cisco Startの無線LAN製品群の外観
Cisco Startの無線LAN製品群の外観

 無線LANアクセスポイントの下位製品で価格を1万2000円程度に抑えた「Cisco Wireless Access Point(WAP)シリーズ」も用意した。運用管理性にも注力しており、複数台のWAPシリーズでクラスタリングを組んで設定情報を同期させる使い方もできる。

文教向けの割引プログラムと販売体制を整備

 文教分野向けの販売も強化する。具体的には、Cisco Start製品群の中から文教分野に向いた製品を選び、文教分野向けの割引プログラムを適用する。さらに、販売パートナを支援する体制として、シスコシステムズの文教分野向けチーム内に、販売パートナに対してネットワーク機器の構成を支援する窓口を配置する。

 2017年第1四半期には、Cisco Startのネットワーク製品向けの運用管理ソフト「FindITネットワークマネジメント」(日本語版)も出荷する。専用のプローブ(情報収集)ソフトをインストールしたパソコンをLAN上に配置して運用する。複数のプローブから情報を吸い上げて一元管理するマネージャ機能も提供する。価格は、サブスクリプション型でデバイス単位で課金する。10デバイスまでは無償で利用できる。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]