IDCによれば、企業がサイバー攻撃に対抗するための経費は今後増え続け、情報セキュリティ産業の売上高(ハードウェア、ソフトウェア、サービスの各部門を含む)は、2020年に1000億ドルに達するという。
IDCは、世界全体でのセキュリティ産業の売上高が、2016年の737億ドルから、2020年には1016億ドルにまで増加すると予想している。これは、年平均成長率(CAGR)に換算すると8.3%に相当する。
この数字は、今後5年間のIT経費の成長予測の倍以上にあたる。
不思議なのは、これだけ大きな数字を聞いても、サイバー空間が安全になるとは感じられないことだ。実際、データ漏洩はほとんど毎日のように起こっている。いずれにせよ、テクノロジを購入している企業がインフラの保護を怠ったという批判を避けたがっていることを考えれば、セキュリティ産業の未来は明るいと言っていいだろう。
IDCのアナリストSean Pike氏は、企業はサイバー攻撃の被害者になることを恐れており、経営陣はセキュリティ予算を賢く使うよう求めている。実際、Tech Pro ResearchがIT予算を担当する企業幹部を対象に実施した調査では、今後1年間で優先すべき項目の2番目にネットワークセキュリティが挙げられており、今後IT部門が直面する課題について尋ねた質問では、ネットワークとデータの安全性確保という回答がもっとも多かった。
驚くには当たらないが、2016年にセキュリティにもっとも投資しているのは銀行業界で(投資額86億ドル)、ディスクリート型製造業、行政、プロセス型製造業がこれに続く。これらの業界の支出は、世界の年間セキュリティ経費の37%を占めている。また今後5年間でセキュリティ経費がもっとも増加する分野は医療業界で、年平均成長率(CAGR)は10.3%と推計されている。
提供モデル別では、サービスへの支出が全セキュリティ支出の45%を占めると予想されている。この支出のほとんどは、マネージドセキュリティサービスだ。2番目はソフトウェアで、それにハードウェアが続く。セキュリティアナリティクスソフトウェア市場の年平均成長率(CAGR)は12.2%になるという。
2016年の世界最大のセキュリティ市場は米国で、これに西ヨーロッパ地域とアジア太平洋地域が続いている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。