グラフデータベースの「Neo4j」を提供するNeo Technologyが新たな投資を受け、3600万ドルを調達したことを発表した。
最新のシリーズD投資ラウンドには、Greenbridge Investment Partners、それに既存のベンチャーキャピタルであるSunstone、Creandum、Eight Roads Venturesが参加している。Neo Technologyの最高経営責任者(CEO)Emil Eifrem氏は、得られた資金を利用して「2016年に大きな盛り上がりを見せるNeo4jをさらに強化する」と述べている。
「企業はこれまでにない膨大な量のデータから、リアルタイムの価値を得たいと思っている。エンタープライズがこれを実現するにあたって、グラフデータベースは標準(の手段)になりつつある」とEifrem氏。
Neo Technologyの最高経営責任者(CEO)Emil Eifrem氏
提供:Neo Technology
つい最近までグラフデータベースはあまり知られていない技術だったが、パナマ文書の情報を分析するために用いられたことで一気に知名度を上げた。大量のデータから意味をなすにあたってグラフデータベースが有用であることを実証した格好だ。
Neo Technologyが10月に開催したイベント「GraphConnect」では、米航空宇宙局(NASA)、Marriott、Cisco、Novartisなどの企業や組織が集まり、自分たちがグラフデータベースをどのように利用しているのかを明かした。
Eifrem氏は新しい投資について語りながら、Neo Technologyには調達について独自の考え方があると述べた。
「シリコンバレー企業のこれまでの考え方は、できるだけ多くの資金を調達しようというものだ。だが、わたしはこれに根本的に賛成できない」とEifrem氏。「1億5000万ドル、3億5000万ドルと巨額を調達する他のデータベース企業と比べると、我々は欧州的だといってよい。注意深く、キャッシュ効率のよい方法で成長したいと思っている。資金をどのように使うかに大きなフォーカスを置いている」という。
今回得た資金をどのように使うのかについては、「営業とマーケティングの拡大にも使う。だが、最大の投資は製品に対して行う」とした。
同氏によると、資金は3つの「重点分野」に投入するという。1つ目はこの分野でNeo4jが誇る「主導的なポジションを確固たるものにするための」研究開発。2つ目は「営業やマーケティングに戦略的に投資し(中略)Neo Technologyの存在感をエンタープライズのセクターで拡大する」ための取り組みで、3つ目は「既存のユーザーや顧客にいっそう広範なソリューションを提供することを目的とした、グラフ技術のエコシステム内でのより密接なパートナーシップの構築」だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。