数年前にはほとんど知られていなかったグラフデータベース。だが、その状況は変わりつつある。その主な要因となっているのは、グラフデータベース技術の認識を大きく変えたパナマ文書の流出だ。膨大な情報を分析するために使われたのがグラフデータベースだったのだ。
米ZDNetでは、Neo4jの最高経営責任者(CEO)であるEmil Eifrem氏にインタビューし、パナマ文書やグラフテクノロジ、そして同社の今後について聞いた。
--Neo4jの次のステップは?
ここにきて初めて競合がこの分野に参入してきました。これはいいことです。競合が登場したということは、私たちのやっていることが価値のあることだということになりますから。
--今、Neo4jは面白い時期にありますよね。岐路に立っていると言ってもいいのでは?
チャートで示したように、ひとつは予測される全世界のデバイス数で、2020年末までにその数は500億~750億になると考えられます。だいたいその規模になるとわれわれも考えているので、まだ伸びる余地があるということです。
こうした変化がNeo4jにどういった影響を与えるのでしょうか。一例としては、従来業界イベントにおいて私は非常にマニアックなアーリーアダプターに対して話をしていたのが、今ではメインストリームの人たちに向けて話すようになったという点です。感覚的にはその程度で、岐路に立っているという意識はないですね。
--エキサイティングな時期ですよね。
はい、とても。最初は大変でしたが、今はエキサイティングだと感じます。
--パナマ文書が流出し、調査に関わったジャーナリストがNeo4jのソフトを利用しました。その影響はどの程度あったのでしょうか。グラフデータベースを知った人がNeo4jに非常に興味を持ち、引き合いもあったのでは?
そうですね。Neo4jは他社とは異なることをやっています。誰もわれわれのようなことはできません。一部は他のリレーショナルデータベースなどでもできます。例えばドキュメントデータベースなどでやるのがより適当な方法であることが多いです。
しかしNeo4jがやっていることは、リレーショナルデータベースでは不可能なのです。私たちの製品は、単に10%、20%良いというものではなく、1000倍良いのです。100万倍高速なのですから。
すべてにおいて高速ということではないですが、一部の非常に重要なオペレーションではそうなります。Neo4jの顧客は、Fortune 500に入る大企業が中心ですしね。
Neo4jのグラフ:実際に簡素なグラフデータベースだが、非常に複雑なコンセプトを示すことが可能で、パナマ文書の流出によってその要点が証明された。
提供:Neo4j