NoSQL

NoSQL(Not Only SQL)とは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)ではないデータベース(DB)を指す分類用語である。リレーショナルデータベースが属する関係モデル以外に属するデータベースの展開、発展する運動という意味もある。

並列処理を行うことでパフォーマンスを向上させやすく、サーバの数を増やしていて処理性能の向上ができるスケールアウトがしやすい。また、RDBMSと比べインデックスを作成するコストが低いため、ビッグデータ解析などの分野で利用されることが多い。

NoSQL DBの特徴はデータストア(データを決められた形式で蓄積するソフトウェア)にある。具体的には、(1)データベース構造(スキーマ)が固定されずしばられないこと、(2)関係モデルで利用される各項目の結合操作を用いないこと、(3)クラスタ化や分散システム化で論理単位を追加するスケールアウトが容易であること(4)トランザクションを利用できないことが多いことなどがある。

NoSQL系データベース管理システムが有用なのは、関係モデルが必要ない非構造化データなど、大量のデータの利用時である。用途として例えば数百万のキーバリュー形式のデータを格納したり、キーとキー自身に対応した値の対が集まったデータ構造である「連想配列」を複数格納する場合や、大量の構造型データを格納することなどがある。

非構造化データを含む大規模データ解析や、増えつづける情報を即時に解析する必要がある際に使われることが多い。

NoSQLにはキーバリュー型、カラム指向型、ドキュメント指向型、グラフ型などがある。

キーバリュー型は、キーに対してバリュー(値)をあてがうという単純な構造である。AWSではAmazon DynamoDBなどにも使われている。大半は単純なバイナリデータ(BLOB)のみが格納可能である。一部リスト、マップ、ソート済みセットなどリッチなデータをサポートするものもある。

カラム指向型は、行キーに対してカラム(名前と値の組み合わせ)の集合を持つ。行ごとに好きな名前のカラムを好きな数だけ格納できる。カラムはカラム名によってソートされるため、例えばカラム名に時刻を使うことで1行の中に時系列のデータを格納することができる。

ドキュメント指向型は、RDBのように固定されたデータ設計(スキーマ)が不要であることから「スキーマレス」と言われ、データ構造が柔軟なものである。データベースとアプリケーションから、ドキュメントのいくつかの内部構造が分かるようになっている。MongoDB、Apache CouchDBなどがある。ニュースサイトやブログなどの記事を表現するのに適していると言われる。

関連記事

キーワードアクセスランキング

  •  Linuxとは、1991年にフィンランドのLinus Torvalds氏が開発した、UNIX互換のOSである。Linuxとはカーネル...(続きを読む)

  • 1台のマシン上で複数のマシン構成を仮想的に実現するためのソフトウェア。それぞれで異なるOSを動作させることができる。...(続きを読む)
  • IoT
    Internet of Thingsの略で「モノのインターネット」などと言われることもある。もともとのコンセプトは、機械同士がネットワークで...(続きを読む)
  • 「Software as a Service」の略称。Salesforce.comが提供する顧客情報管理システム(CRM)「Salesfor...(続きを読む)
  • ソーシャルメディアの特長や機能を企業の業務に活用する動き。大きくは、企業の外側にいる顧客に向けたものと、企業の内部の情報系システムに向けたも...(続きを読む)
  • 小売りや卸、製造業などさまざまな業種を横断して、ものづくり、物流、購買などのプロセスが急速にデジタル化していくこと。既存の仕組みと異なること...(続きを読む)
  • 特定の資金調達ラウンドをまとめるベンチャーキャピタル企業または個人投資家。リードインベスターは通常そのラウンドにおいて最大の資金を投資する。...(続きを読む)
  • プロジェクト管理用語。プロジェクトの成功に(あるいは成功確率を上げるために)必要な外部環境や、起こるべきイベントが存在する場合がある。そのイ...(続きを読む)
  • AWS
    Amazonが提供するパブリッククラウド「Amazon Web Services」のこと。クラウド上のサーバを使った分だけ利用できる仮想サー...(続きを読む)
  • SDN
    「Software-Defined Networking」の略。ソフトウェアでネットワークの構成や機能などを定義しようとするコンセプトのこと...(続きを読む)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  2. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  3. セキュリティ

    「脱VPN」で実現するゼロトラストセキュリティ!VPNの課題を解消し、安全なリモートアクセスを確立

  4. ビジネスアプリケーション

    ITR調査レポートから紐解く、間違いだらけのDX人材育成--研修だけでは成果にならないその理由は?

  5. セキュリティ

    もはや安全ではないVPN--最新動向に見る「中小企業がランサムウェア被害に遭いやすい」理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]