企業は、あらゆるエンタープライズテクノロジの中で、自分たちが選んだデータベースに一番肩入れするものだ。そしてデータがいったん特定のデータベースに入ってしまったら、最高情報責任者(CIO)はそれを取り出すことを嫌う。そうするのは費用がかかるし、メリットよりもリスクの方が上回ることが多いからだ。
だからこそ、求人やソーシャルメディアなどのデータを詳しく調べてみると非常に面白い。そうしたデータは、NoSQLデータベースへの関心がこれまでにないほど高まっていることを示している。間違いなく、データベース市場には何か大きなことが起こっており、その相当な部分がビッグデータの採用によって後押しされている。
Oracleが近いうちにデータベース事業から撤退する見込みはないものの、NoSQLに輝かしい未来が待ち受けていることは確かだ。
NoSQLの果てしない興隆
(ソーシャルメディアやニュース記事などで)言及された量だけで比較すれば、「MongoDB」は明らかにデータベース分野を支配している。(ここで注意すべき点は、残念ながら「Cassandra」のデータは収集が難しいということである。「Cassandra」という単語は、データベース関連以外の幅広いトピックで使われていて、正確に区別できないためだ)
しかし、メディアでの言及数のデータで一番興味深いのは、その変化だ。全てのNoSQLデータベースは成長しつつあり、一部はかなりの成長を見せている。そしてその大半が「MySQL」の減少とともに成長していることだ(図A)。

図A:メディアによる言及の比率
Oracleと「SQL Server」(このデータには表示されていない)はほぼ変わらず(「IBM DB2」は減少し続けているが)、「PostgreSQL」も同様である。
しかしなぜMySQLなのだろうか。かつてのオープンソースのシンボルは、減少し続けている。
DB-Enginesのランキングのように、雇用のデータや、データベースへの関心についての他の指標を加えると、やはりMySQLが減少した分、上位のNoSQLデータベースが著しく増加しているのが分かる(図B)。

図B:DB-Enginesによるランキング
こうしたトレンドを無視して、生の数値データ(図C)だけを見ると、NoSQLデータベースの道のりはまだ長いことがはっきりする。

図C
しかし同様に明らかなのは、NoSQLデータベースが正しい方向に向かっており、Oracleを除いて、従来のリレーショナルデータベース(特にMySQL)はいずれも、NoSQLデータベースのせいで多少の打撃を受けていることだ。実際のところ、大半のNoSQLデータベースの直近の増加は、MySQLの減少分から来ると言ってもいいだろう。
なぜだろうか。それは、MySQLが当初、より新しい(規模などを必要とする)ワークロードと、より若い開発者によってスタートしたからだ。こうしたワークロードに、よりうまく適合する代替サービスが存在する今となっては、この無料オープンソースデータベースを捨てて別の無料オープンソースデータベースに移行する方が、ともに非常に高額であるOracleやSQL Serverを捨てるのよりも簡単なのである。
確かに、皮肉に聞こえるかもしれないが、Oracleの価格の高さが、最大の防御になることも多いのである。