Facebookは米国時間11月11日、同社のConnectivity Labが南カリフォルニアで2016年に入ってから実施した、13km離れた地点間を結ぶミリ波データリンクのテストにおいて、過去最高となる20Gbps近くの速度を達成したとブログで発表した。
同社によると、2GHz帯を使用するカスタムコンポーネントを用いた設備が使用され、送信機と受信機の消費電力はわずか105ワット(直流)だったという。
Connectivity Labの研究における最終的な目標は、太陽電池で飛行する同社の全翼機型無人ドローン「Aquila」を用いて、30~50kmの距離間で30Gbpsという速度での通信を可能にすることだ。同社が30〜300GHzというミリ波帯に目を向けているのは、連続して利用できる周波数が多くあるためだが、大気による減衰や、指向性の鋭さ、アンテナ関連や電力関連の問題など、克服すべき課題があるという。
提供:Facebook
Facebookは「(今回の実験で使用した)直径4フィート(約122cm)のパラボラアンテナは、航空機と地上を結ぶリンクの地上局側に相当する。実際問題として、このアンテナは飛行中のAquilaに搭載されている送信機を常に追跡し、高い精度と正確さで途切れることなく高いデータ転送速度を維持する必要がある」とブログに記している。
また同ブログには「われわれの実験で使用した4フィートパラボラアンテナは、3dBビーム幅が約0.2度のものだ。このため20Gbps近くにもなるデータ転送速度を達成するためには、誤差が0.07度未満という正確さで目標を捉える必要があった。これは野球のピッチャーが25セント硬貨(直径24.26mm)よりも小さな的を狙って投球するようなものだ」とも記されている。
Facebookは現在、双方向の空地データリンク設備をセスナ機上に搭載し、最高高度で2万フィートとなる上空との通信テストを実施している。また同社は、2017年の早い時期に40Gbpsを達成する設備を実現できると見込んでいる。
提供:Facebook
同社のAquilaは「Boeing 737」を超える翼幅となっており、へき地にインターネット接続を提供するために、高度6万〜9万フィートの上空を最大90日間滞空することを目標にしている。
Facebookの最高技術責任者(CTO)Mike Schroepfer氏は先週、ポルトガルのリスボンで開催された「Web Summit 2016」で、Aquilaを空のバックボーンだと形容していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。