弥生は、マイクロサービスアーキテクチャの構築に向け、オープンソースのサービス連携基盤を新たに採用した。これにより、デスクトップアプリケーションとクラウドアプリケーションの透過的なデータ連携が実現し、ユーザーの利便性が高まった。開発サイドも、今後の迅速な機能拡張を実現する土台作りが実現したという。基盤ソフトウェアを提供したレッドハットが12月12日に公表した。
弥生では、会計事務所向けの従来型のデスクトップアプリケーションと、法人を中心に最近利用者数が急速に増加しているクラウドアプリケーションとのシームレスなシステム間連携が、サービス向上において課題となっていた。
特に、大きなシェアを持つデスクトップアプリケーションのシステム間連携や市場ニーズを受けた迅速な機能拡張、クラウドアプリケーションの開発強化や保守性向上の面で、APIの整備によるマイクロサービスアーキテクチャへのシフトが急務になっていたとのこと。
この課題に対して同社は、開発速度が速いオープンソースソフトウェアで実現することを考え、オープンソースのEIP(Enterprise Integration Patterns)統合ツールキットである「Apache Camel」の導入を検討した。ただし、オープンソースソフトウェア単体では、本番環境での使用においては障害時対応の面で不安があると考え、同ソフトウェアを含む統合プラットフォームとして、レッドハットの「Red Hat JBoss Fuse」の導入を決めた。
Red Hat JBoss Fuseは、ソフトウェア、ハードウェア要件など基本的な動作環境をレッドハットが検証しており、エンジニアの検証作業の労力を減らし、開発に集中することが可能。弥生では実際、作業期間2カ月程度で本番稼動を実現した。
弥生は現在、レジアプリケーション、経費精算アプリケーションや見積、請求書サービスアプリケーションをはじめとした外部サービスと同社製品との連携が可能な「YAYOI SMART CONNECT」の基盤部分のAPIにも、RedHat JBoss Fuseの導入拡大を検討。将来的にはさまざまな外部サービスとの連携実現に向けた、APIゲートウェイへの導入も検討している。