NECは6月12日、IEEE 802.11be(以下Wi-Fi 7)規格に対応する無線LANアクセスポイントの新製品「UNIVERGE QX-W1240」を発表した。税別希望小売価格は33万円で、9月から受注、10月から出荷をそれぞれ開始する。
新製品についてNECは、同日時点で仕様策定中のWi-Fi 7への対応を表明している。Wi-Fi 7の正式確定は2024年の見込みで、製品出荷時はドラフト版(2023年3月時点ではバージョン3.0)ベースとなるか検討中だという。なお、Wi-Fi 7は通称で、同日時点でWi-Fi Allianceは正式名称として決定していない。
UNIVERGE QX-W1240は、115万台以上の出荷実績があるという「UNIVERGE QX」シリーズにラインアップされる。動作環境温度がマイナス10~プラス50度で、Bluetooth Low Energy機能や簡単なセットアップができる同社独自の「Smart WirelessTechnology」、グループ企業のNEC プラットフォームズが提供するクラウド型統合管理サービス「NetMeister」や、製品出荷停止5年後まで故障機を無償交換する「リミテッドライフタイム」保証に対応する。
「UNIVERGE QX-W1240」
製品本体は、Wi-Fi 7の6GHz帯やMulti-Link Operation(MLO)なども利用可能になることで、2.4/5/6GHz帯のトライバンド同時通信に対応し、Wi-Fi機器が密集するエリアでも安定した通信品質を実現する。理論最大転送容量は18.67Gbpsになる。ただし、Wi-Fi 7で規定される320MHz幅の最大チャネル帯域幅は、日本では電波法で使用が認められておらず、出荷時に使用可能なのはWi-Fi 6/6Eと同じ160MHz幅となる。同社は、当面最大チャネル帯域幅の制約を受けるものの、MLOおよびトライバンド同時通信による通信高速化、安定化のメリットは大きいと説明している。また、10GBASE-Tのアップリンクポートを搭載する。10GBASE-Tポート搭載スイッチとの組み合わせにより、Wi-Fi対応製品としての性能を生かせるという。
近年は、4K/8K映像やメタバース、AR/VR(拡張/仮想現実)、遠隔医療などの高度なサービスのための通信環境が非常に重要で、高速・大容量・安定の通信ができるWi-Fi 7の活用が期待されている。