日本ヒューレット・パッカードは5月25日、「HPE Aruba Networking」の成長戦略に関する記者説明会を開催した。
HPE Aruba Networkingの全世界営業部責任者を務めるAlain Carpentier氏はまず、同事業のブランディングについて説明した。同社はさまざまなブランドを「HPE GreenLake」に統合していく動きがあるものの、Aruba Networkingについてはブランドを継続すると表明。その理由としては、同ブランドが既に市場に浸透しており認知度が高いことを挙げた。
また、事業戦略に関しては、Wi-Fi、スイッチング、SD-WAN、データセンターネットワーク(DCN)、セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)、プライベート5G(P5G)といったさまざまなテクノロジーを含む「コネクティビティー」、“CENTRAL/AI Platform”と表現される「マネジメントレイヤー」、HPE GreenLakeのブランドが冠された「Network as a Service」(NaaS)の3つの取り組みからなる三角形で象徴されると説明した。
HPE Aruba Networkingの事業戦略
コネクティビティーに関しては「特に日本市場でArubaはWi-Fiソリューションとして広く認知されており、成功を収めてきたが、日本以外のグローバル市場ではスイッチングやSD-WANでも既に主要プレイヤーとして認知されている」とし、Wi-Fi以外の事業領域でも認知を高めていくとした。
運用管理の面は、「AIOps主導のクラウド管理」でIT運用の効率化を促進するとしている。最新世代の運用管理インターフェースとなる「HPE Aruba Networking Central」は、ネットワークナビゲーションの新たな手法として採り入れられた「ソーラーシステム」ビューや、物理的/論理的なネットワーク接続を直感的に視覚化する「サンバーストトポロジー」ビュー、特定時点での全体のスナップショットを時系列で追跡できる「ネットワークタイムトラベル」機能などが紹介された。
HPE Aruba Networking Centralの特徴的な新機能
NaaS分野での取り組みでは、新たなソリューションとして「HPE GreenLake for Aruba NaaS Service Packs」が11月以降に提供開始の予定であることが明らかにされた。
Carpentier氏は最後に、「Axis SecurityおよびAthonetを買収した狙い」について説明した。Axis Securityは「ビジネスアプリケーションへの安全なアクセスを提供し、モダンワークプレイスへの移行を加速するために設計されたクラウドネイティブなセキュリティサービスエッジ(SSE)プラットフォームの提供者」だという。
Athonetについては「プライベートモバイルネットワークと5Gソリューションのマーケットリーダー」だとしている。いわゆるローカル5G市場への足がかりとなる買収だが、日本市場向けには現状は周波数割当の問題もあってすぐに提供できる状況ではないとのこと。ともあれ、従来の「Wi-Fiのブランド」という認知を改めていく上でも、こうした取り組みがグローバルで行われているということを周知する狙いだろう。
続いて、執行役員 Aruba事業統括本部長の本田昌和氏が国内の事業戦略を語った。同氏はまず、国内市場向けに「“つながる”の新時代を開拓」というメッセージを打ち出し、ポートフォリオがネットワーク全般に拡大していることをアピールすると同時に、パートナーを含めたイネーブルメントやマーケティングの発信力強化や、データセンターや5G市場などの新たな事業領域の開拓などに注力していくという方針を示した。
国内事業戦略