Microsoftが、「Microsoft PowerPoint」向けの無料翻訳アドインを一般公開した。プレゼンテーションの作成や閲覧の際に、同社が提供するリアルタイム翻訳機能を利用するものだ。
Microsoftは、現地時間7月12日にロンドンでAI関連イベントを開催し、このアドインをはじめ多くの新たな取り組みを発表した。
このイベントで、AI研究およびインキュベーションのハブとなる「Microsoft Research AI」を新設することが同社幹部から発表された。AIの理論と実践をテーマとするこのチームは、米ワシントン州レドモンドに拠点を置き、ほかのMicrosoft Research Labや製品グループとも連携する。
同社はまた、「AI for Earth」プログラムを新たに立ち上げる。地球環境問題の解決に特化したAIツールとスキルの提供を目指したものだ。そのほかにも、AI製品やサービスの構築の際に用いられる社内向け「Ethical Design Guide(倫理策定指針)」の作成を開始することが明らかになった。
製品およびサービスに関しても、MicrosoftはPowerPoint向けの無料アドイン「Presentation Translator」の開発を進めている。このアドインは同社の開発者会議「Build 2017」ですでにデモを実施していたが、ダウンロードが可能になった。このアドインでは、ブラウザで「Microsoft Translator」アプリを使うことで、ユーザーがプレゼンテーションに60種類以上の言語の字幕を追加できるほか、聴衆も自分が希望する言語の字幕を入手できる。また、書式を維持しながらスライドを翻訳できるオプションもある。
Microsoftはまた、「iOS」向けの無料アプリ「Seeing AI」を発表した。これは、目が見えない人や弱視の人向けのアプリで、近くにいる人、テキスト、物体などを音声で説明し、スムーズな移動を手助けするアプリだ。
今回のロンドンで行われたAIイベントでは、ほかにも「Cognitive Services」の一般提供に機能を拡充することが発表された。Cognitive Servicesは、開発者が自らの製品やサービスにAI要素を追加することを可能にするアプリケーションプログラミングインターフェース(API)だ。
Microsoftは、「Bing Entity Search API」、またこれまで限定公開だったジェスチャーソフトウェア開発キット(SDK)の「Project Prague」(コード名)についても、無料プレビュー版の提供を開始している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。