Oracleは同社のサーバ製品に発見された重大な脆弱性を修正するため、臨時に緊急のセキュリティパッチを公開した。
米国時間11月16日、ERPScanはOracleのアプリケーションサーバ「Tuxedo」に影響を及ぼす脆弱性の詳細を明らかにした。同社は、全部で5件の不具合が発見されており、そのうち2件は共通脆弱性評価システムCVSSのスコアで10.0と9.9という、極めて深刻なものだと述べている。
Tuxedoは、プライベートクラウドや従来型のデータセンターでアプリケーションの開発、展開、管理を行っている企業が使用するアプリケーションサーバソフトウェアだ。
これらの脆弱性はウィーンで開催されたカンファレンス「DeepSec」で明らかにされたもので、ERPScanの研究者らの発表によれば、Tuxedoは複数のOracleの企業向け製品で中核的なツールとなっており、影響を受ける企業は少なくとも6000社に及ぶと考えられるという。最も深刻なものには、Oracleの独自プロトコルである「Jolt」に発見され、「HeartBleed」に似たメモリリークや、「PeopleSoft」のシステムへの完全なアクセスを可能にしてしまう脆弱性などがある。
ほかにも、スタックオーバーフローの脆弱性、ヒープオーバーフローの問題、Joltプロトコルで使用されている「DomainPWD」のパスワードに対する総当たり攻撃が可能になるセキュリティホールについての情報も開示されている。
Oracleはこれらの問題を修正する臨時パッチを公開し、顧客のIT管理者に対して、ただちにアップデートを適用するよう要請している。
同社はセキュリティアドバイザリの中で、「Oracleはこれらの脆弱性の重大性を鑑み、本セキュリティアラートで提供するアップデートをできる限り早く適用することを強く推奨する」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。