調査

世界セキュリティ関連支出、2018年は960億ドルに--ガートナー

Alison DeNisco (TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2017-12-29 09:30

 Gartnerは、2018年の世界の企業によるサイバーセキュリティ支出が、前年比8%増の960億ドル(約11兆円)に達すると予想している。大規模なサイバー攻撃や情報漏えいが起こっていることで、全世界的に増加するという。

 Gartnerが以前実施した企業のセキュリティサービス購入行動に関する調査では、53%の企業がセキュリティ支出を増やす最大の理由にセキュリティリスクの高まりを挙げており、多くの企業が主なリスクとして情報漏えいを意識していることが明らかになった。

 また同社は、インフラ保護やセキュリティサービス分野で成長をけん引するのは、セキュリティテスト、ITのアウトソーシング、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)だと予想している。

 セキュリティ支出を押し上げるもう1つの要因は、新たな規制やデータプライバシー法制への対応だ。これには、米国のHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)やNIST(国立標準技術研究所)関連、欧州のGDPR(一般データ保護規則)などが含まれる。Gartnerは、これらの規制はデータセキュリティツール、特権アクセス管理、SIEMなどへの支出増につながると述べている。

 また2020年までには、組織の60%以上が情報漏えい防止ソリューション、暗号、データ中心型の監査および保護ツールなどの複数のデータセキュリティツールに投資するようになるという。それらの製品に対する投資は現在約35%となっている。

 ただし、スキルを持つ人材の不足、技術的な複雑さ、脅威の拡大などは、今後も組織が自動化されたソリューションや、セキュリティソリューションのアウトソースを模索する動きにつながる。

 Gartnerの調査ディレクターRuggero Contu氏は、プレスリリースで「2018年には、セキュリティアウトソーシングサービスに対する支出は、2017年よりも11%多い185億ドルに達する。ITアウトソース分野は、コンサルティング分野に次ぐ2番目に大きなセキュリティ支出分野だ」と述べている。

 また同社は、企業のセキュリティアウトソーシングサービスに対する支出は、2019年までにセキュリティソフトウェアおよびハードウェアに対する支出の75%を占めるようになり、2016年の63%から増加すると予想している。

 その一方で、企業のセキュリティ支出では検出とレスポンスが重視されるようになり、今後5年間、この市場の成長を後押しするという。

セキュリティ
提供:iStockphoto/Stadtratte

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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