今や多くの組織でDevOpsの取り組みが進められつつあり、リーダーたちは次の段階に進むべきタイミングが来ている。
DBMaestroが最近発表した、244人のITプロフェッショナルを対象とした調査レポートによれば、回答者の過半数(55%)が、すでにプロジェクトの少なくとも20%でDevOpsの手法を利用していることが明らかになった。また、少なくとも3分の1(33%)は、さらに進んで半数以上のプロジェクトでDevOpsを実施している。
ソリューションの継続的デリバリーの導入も進んでいる。過半数の54%は、アプリケーションの継続的デリバリーを完全に実現していると回答している。ただし取り組みが進んでいない分野もあり、データベースに関しては36%、インフラに関しては31%しか継続的デリバリーを実現していない。
回答者の3分の1は、1週間に1回以上のデプロイメントを行っていると答えており、この数字は1年後には倍になると見込まれている。
DevOpsの成功を評価する上で重要な指標である、開発から本番環境への展開までに必要なリードタイムはまだ十分ではないが、今後数カ月から数年で加速度的に改善していく可能性が高いとみられる。現時点では、リードタイムが1日未満だと回答した積極的な企業は約12%しかない。ただし23%は、1年後までに1日以内にアプリケーションを本番環境に展開したいと考えているという。その一方で、回答者の41%はこのプロセスに1カ月以上かかると述べているが、1年後には(回答者の希望が実現すれば)この数字が23%まで下がる可能性がある。
また少なくとも17%は、まったくDevOpsへの取り組みを行っていない。もし読者の皆さんがそのような組織に所属しており、DevOpsの潜在的な価値を認めているのであれば、教育係兼推進役を務めるべきだ。
DevOpsは、究極的には企業全体を変革する取り組みであり、適切な姿勢と視野を持ったリーダーを必要とする。PuppetのバイスプレジデントMarianne Calder氏は、次のように述べている。「DevOpsは、企業が実施したり買ったりできるものではない。それは、全員が日常的な活動の一部として、常に問い続け、実験し続け、学び続ける文化だ」
同氏は、DevOpsを推進しようとするリーダーは、文化に注目する必要があると付け加えている。「(DevOpsは)全員が現状に挑戦し、組織や、組織の成果や慣行を常に改善していく文化だ。リーダーだけでDevOpsの成果を生み出すことはできないが、よいリーダーは、チームにシステムの再設計や、継続的デリバリーやリーン開発の管理手法を実践させることで、間接的に優れたチーム、優れたテクノロジ、優れた組織を生み出す」
もしDevOpsの効果を信じており、自分の会社でDevOpsを実践したいと考えているなら、ソフトウェアデザイナーのDes Nnorchiri氏が語った、DevOpsのリーダーに必要な素養についての以下のアドバイスが役に立つだろう。
最新のソフトウェア工学に対する理解。「必ずしも特定のプログラミング言語を理解する必要があるわけではないが、アルゴリズムと堅牢性の高いシステム設計については理解していなくてはならない」
最新のソフトウェアアーキテクチャに関する知識。「DevOpsのマネージャーは、クラウドのインスタンスとサービスに加え、クラウドに展開されるLinuxディストリビューションやデータベースなどのローレベルなソフトウェアインフラに関して十分な知識を持っている必要がある」
セキュリティインシデント対応の管理に対する自信。「インシデントに対応する間、チームを引っ張ることができ、チームと協力してセキュリティプロセスを評価できる必要がある」
明解かつ簡潔にコミュニケーションを取る能力。これは、DevOpsのリーダーにとって技術的なスキル以上に必要なソフトスキルだ。「自分とチームが強い圧力にさらされているときには、チームが感じているかもしれない圧力を理解しつつ、明解にコミュニケーションを取り、指示を与えることができなくてはならない」(Nnorchiri氏)
協調作業のテクニックに関する知識。これには、「インフラの変化を捉えることができ、それについてチームの全員が議論に貢献できる形でブレーンストーミングができる能力」が含まれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。