パロアルトネットワークスは1月26日、2017年のセキュリティ脅威動向を発表し、同社のマルウェア検出数において日本が2位だったと報告した。メールによるばらまき型攻撃の影響を大きく受けたためだと説明する。
国別の検出の上位は、米国、日本、オーストラリア、イタリア、英国だった。同社では2017年に約25億種類のファイルを解析し、約6000万種の新型マルウェアが見つかったとしている。
出典:パロアルトネットワークス
日本では、SMTPやPOP3、IMAPなどメール関連のプロトコルを通じたマルウェアの検出が83%に上り、世界平均の50%に比べ、突出して多いことが分かった。主因とされるばらまき型攻撃とは、一般的に無差別型攻撃とも呼ばれ、不特定多数にマルウェア感染などを狙ったメールやメッセージなどを送り付ける攻撃手法となる。2017年はグローバルで検出される不正なメールの約23%が日本で見つかったという。
この他に、2017年に発生したマルウェア「WannaCry」(同社ではWanaCrypt0rと呼称)の感染活動が継続していると指摘。同マルウェアは「EternalBlue」と呼ばれるWindowsの脆弱性を悪用する方法で自動的に拡散するワーム型の特徴を持つ。
サイバースレッドインテリジェンス アナリストの林薫氏は、ワーム型感染活動の根絶には、感染端末の封じ込めと一掃が必要としつつも、現実的には不可能と指摘。現在も2008年に出現したマルウェア「Conficker」(別名、Downadなど)の感染が確認されており、WannaCryの感染活動が今後長期に渡って続くと予想する。ツールで容易に改造するなどの方法で作成されたWannaCryの亜種も、これまでに3万5000種以上が見つかっているという。
出典:パロアルトネットワークス