国家級のサイバー攻撃は「戦争」と同義か--ファイア・アイ

渡邉利和 2018年01月26日 10時17分

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 ファイア・アイは1月23日、毎年公表しているレポート「セキュリティ動向予測」の2018年度の日本語版を公開、プレス向けに解説した。真っ先に挙げられているのは「国家によるサイバー脅威の拡大」で、具体的な国名としてはイラン、北朝鮮、中国などが指摘されている。

ファイア・アイが予測する2018年のセキュリティ動向''
ファイア・アイが予測する2018年のセキュリティ動向

 レポートの中では、同社最高セキュリティ責任者(CSO)のSteve Booth氏のコメントが最も印象的だ。

 「国家レベルのサイバー攻撃活動に関して、個人的に特に興味深く思うのは、そこに一切の基準、つまり交戦規定が存在しない点だ。もしある国家が、自国の軍隊に敵対国家の銀行を襲わせ、金を強奪させたとしたら、それは戦争行為となるはずである。しかし、サイバー空間では、同じような行為を行ってもそうは見なされない。これは本当に戦争行為ではないのか、それとも、まだ宣言されていないだけなのか。私はその点を不思議に思っている」

 セキュリティ企業のCSOという立場から見て、現在のサイバー脅威が武力による戦争行為とほぼ同等の国家間の直接的な力の行使に見えているという現状、そして、その力は国境や特定の紛争地域にいる人だけに行使されるわけではなく、インターネットを通じて誰にでも降りかかる可能性があるという事実を考え合わせれば、「セキュリティを維持する」ことの難易度がどれほど高いものになってしまっているかという点についても改めて恐ろしさを感じる。

ファイア・アイ
ファイア・アイ 執行役 副社長の岩間優仁氏

 なお、説明に立った執行役副社長の岩間優仁氏は、同社の2018年の事業戦略についても紹介し、「Helixの拡販」「インテリジェンスの提供」「中堅・中小企業への拡大」の3点に取り組むとした。

 従来は、同社製品が「プレミアムな価格/サンドボックス」といったイメージが強かったと認めつつ、MandiantやiSIGHTのインテリジェンス関連のサービスの国内での提供や、パートナーの強みを生かした中堅・中小組織向けソリューションの提供などにも注力していくという。

2018年の国内事業戦略''
2018年の国内事業戦略

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