AMDが、今後発売予定の「Zen 2」チップについて、「Spectre」タイプの脆弱性を突く攻撃を防ぐため、設計を変更したと明らかにした。
Spectreは「Meltdown」とともに、多くのチップの基本設計に見つかった脆弱性であり、攻撃者にデータを盗まれるおそれがある。脆弱性の発覚以降、テクノロジ業界は大慌てで修正に取り組んでいるが、すべてがうまくいっているわけではない。
Meltdownの影響を受けるのはIntelおよびAppleのプロセッサと、Armベースの一部のプロセッサとされ、AMDのチップには影響しないと考えられている。だが、SpectreはAMD製のチップも対象となる。
AMDの最高経営責任者(CEO)を務めるLisa Su氏は、第4四半期の決算発表の席上で、同社がSpectreに対して取ってきた方策について、現在の状況を明かした。
「『Spectre Variant 1』については、当社のエコシステムのパートナー企業と共に、引き続き緩和策の開発に積極的に取り組んでおり、その一環としてオペレーティングシステムのパッチの展開が始まっている」とSu氏は述べた。
同氏はさらに、AMDのプロセッサでは「Spectre Variant 2」を悪用した攻撃は難しいとの考えを改めて示した上で、「CPUマイクロコードのパッチを展開し、これをOS更新と組み合わせることで、さらなる軽減措置を提供している」とした。
「より長期的には、Spectreのような脆弱性攻撃への対策を強化するため、今後のプロセッサコアの設計を変更した。これはZen 2以降のモデルに適用される」と同氏は続けた。Zen 2は、7ナノメートル(nm)技術に基づいた次世代のAMD X86プロセッサで、2019年の登場が予定されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。