人工知能(AI)という言葉を各所で目にするようになったが、ほとんどの企業はAIの力を十分に引き出しているとは言い難い。AIを正しく活用するうえで企業は、その成果物と入力の双方を理解しておかなければならない。
残念ながら、企業は現在のところ成果物に着目しており、AIエンジンや予測モデルを正しいかたちで使用できる適切なデータセットに対する投資を行えていない。
デジタル変革ソリューションを手がける企業PointSourceが公開したレポートによると企業は現在、デジタル変革を達成するというプレッシャーの下で、利益をもたらさないテクノロジに投資しているという。
同社は600人を超える上級レベルの意志決定者を対象に、2018年のテクノロジ投資と、投資の背景となる動機、それら新テクノロジに対する準備の進み具合に関して調査した。
その結果を見る限り、企業は宣伝文句に振り回され、現時点で自社が抱えているデジタル変革のポイントに合わない新規テクノロジに手を染めてしまっているようだ。この調査により、企業の大半は自信を持って利用できないテクノロジに投資しているという実態が明らかになっている。
企業の4分の1は、2018年の予算の25%以上をAIやブロックチェーン、音声認識、顔認証といったテクノロジに投資している。しかし、半数以上(53%)はAIやブロックチェーン、顔認証テクノロジを効果的に活用する準備ができていないと感じている。
企業の意思決定者はしばしば、テクノロジが自社の大局的なデジタル戦略や業務目標に適合するかどうかを一歩下がった視点から評価することなく、そのテクノロジに投資している。
企業は部門間でのコラボレーションを推し進めたり、自社の将来に着目するのではなく、予算やリソースをめぐる部門間の争い(60%)や、デジタル情報の内部での追跡や共有による時間の浪費(90%)という課題にとらわれているという。