FacebookのザッカーバーグCEO、情報流出やロシア問題に見解--「責任は私に」

Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2018-04-06 08:34

 Facebookは米国時間4月4日、最大8700万人にのぼる主に米国ユーザーの個人情報がCambridge Analyticaに「不正に共有」されていた可能性があると発表した。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は同日、それでもやはりFacebookを運営するべきなのは自分自身だと考えていると述べた。

 Zuckerberg氏は4日、報道陣らとの電話会議で「過ちから学んでいくのが人生だ」と述べた。「結局のところ、これは私の責任だ。私がこの場を開設し、運営しており、責任は私にある」(Zuckerberg氏)

 根底においてこれは、個人情報の不正使用や、誰が何をしたかというだけの問題ではない。毎月20億人が利用するFacebookが、信頼に足るのか否かという問題だ。世界の3人に1人の個人情報を扱い、私たちの生活の中心的な要素としてこれまでどおり存続していくうえで、このコミュニケーションプラットフォームが信頼できるのかどうかという問題だ。

 Zuckerberg氏はCEOの職を下りるつもりがないことを明言した。また、これまでにこの問題に関連して誰も解雇していないという。同氏は、Facebookはこれまでに起きたことを受け入れようと尽力していると説明した。「われわれは、理想を追求する前向きな企業だ」とし、「不正使用を防止し、これらのツールがどのように悪用されるのかについて熟考することに、十分に取り組んでいなかったことを今は認識している」と述べた。

Mark Zuckerberg氏
提供:James Martin/CNET

 Facebookは今、2つの中心的な問題に直面していると同氏は述べた。つまり、「われわれのシステムを統制することができるか、そして、われわれのシステムが民主主義をむしばむ目的で決して使用されないようにすることができるか」という問題。

 それにはおそらく、何らかの調整が必要になるだろう。

 Zuckerberg氏は、「ユーザーに発言の場を提供するだけでは足りない。その発言の場が偽情報の拡散に利用されないようにしなければならない」と述べ、Facebookは「われわれのエコシステムの中のすべての人々によって、ユーザーの情報が保護される仕組みを確保する」必要があることを認めた。

 Zuckerberg氏は米CNETの質問に回答する形で、Facebookが4日まで8700万人という数字を発表しなかったのは、「完全に把握」した上で「全体像を提示」したかったためだと述べた。今回の悪質なアプリの影響を受けた可能性のあるユーザーの最大数を明らかにしたいとFacebookは考えたと同氏は述べた。Facebookは、ケンブリッジ大学の講師が作成したそのアプリが多数のユーザーのプロフィール情報を収集し、Cambridge Analyticaに渡していたことを明らかにしている。

 一方、最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏は5日、一連のインタビューの中で、Cambridge Analyticaのように流出データを利用した企業は他に見つかっていないとして、次のように述べた。「Cambridge Analyticaのような企業がさらに見つかれば、公表して皆さんに知ってもらうため、ありとあらゆる手を打つ。これまでのところ、お知らせすべき明らかな事例は、他にない」

ロシア疑惑の打撃

 Facebookは依然として、2016年の米大統領選期間中にFacebookを利用し、選挙に干渉して、米国人を分断に導こうとしたロシアのトロール活動で受けた動揺から立ち直っていない。

 Zuckerberg氏は4日、フェイクニュースの影響を「ばかげている」と一蹴したのは間違いだったと述べた。「あまりにも軽はずみだった」(Zuckerberg氏)

 Facebookは、今後の選挙で不正に利用されることがないよう取り組みを進めてきた。セキュリティとコンテンツレビューを担当する2万人の人員を雇用するとも述べていた。Zuckerberg氏は4日、これまでに1万5000人を雇用しており、残りの人員の雇用も早急に進めるとした。

欧州以外のGDPR適用について

 Zuckerberg氏は、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)の適用に関する記者からの質問にも回答した。同氏は、FacebookはGDPRのプライバシー保護を米国や他の地域に適用するつもりはないとした米国時間4月3日のReutersの報道を否定した。同氏は「欧州だけでなく、すべての国と地域で同様のコントロール方法と設定を導入するつもりだ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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